いつか合気道の道場を設計したい
建築家のブログ

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-2012.10.3-

直島見学2

直島行きの目的は、島の中でアートを核にした取り組みが20年間続いている現状と仕組みを見に行く事。
そして、本業の建築を体感する事でした。
その2は安藤忠雄の建築中心に書いてみたいと思います。

宿泊していないのでベネッセハウスのパーク、ビーチ、オーバルは残念ながらオフリミット。
外観、ショップ、レストランはちら見程度でした。

ミュージアムは、展示されている作品も見どころがいっぱい、建築はつい見落としがちになりますが構成は立体的なシークエンスと光、空、景色の取り込み方を壁や開口で制御し、訪れる人に感動を与えます。

それらが自然とそう感じるように作られているのでしょう。

安田侃「天秘」が展示されている内外を区切る開口部ですがこの大きさが半端でない!!

巾3000高3000はあろうか(いやもっと大きかったかもしれません)というドア!

機械的なアシストがついているのだと思いますが軽く開閉できる事にびっくりしました。
閉まる際の指づめが懸念されますがきっちり配慮されていました。

ミュージアムを出てボートで訪れるビジターのための桟橋へ。

建築というか大きな壁と階段で構成される建築です。
この下にウォルター・デ・マリア 「見えて/見えず 知って/知れず」が展示されています。
御影石の大きな玉が二つの作品。 (ガンツのようです)

ここから地中美術館を目指して歩くと見えてくるのが「李禹煥美術館」
李禹煥と建築家・安藤忠雄のコラボレーションによる美術館です。
谷のようなロケーションに半分埋まっています。


入口までの通路は外観にも増して禁欲的で静謐感が漂います。

5分ほど坂道を上がると地中美術館のチケットセンターです。

これは安藤氏の設計かどうかはわかりませんが、ディテールには共通しているところが有ります。
この建物、鉄骨造ですがいいのです!!
素材の使い方、納め方、いちいち唸らされました。

そして地中美術館。

建築自体がアート作品ですとの説明を受けましたが建築独自での表現だけではなく、展示作品との親和性もあります。
クロード・モネが手掛けた「睡蓮」シリーズ5点を自然光のみで鑑賞できる空間は、鳥肌が立つ思いでした。
スタッフに質問すると上部がピラミッド型のトップライトが有り全方位の光が入り、吊られた天井に反射し時間によって太陽光の色が変わりますとの事。一日中でも見ていたくなる空間でした。

入って感じた感覚は2008年に、21_21デザインサイトでのセカンドネイチャー展、吉岡徳仁氏のインスタレーションの時に感じた感覚と近かったです。
一つの室なのですが壁や天井の境界があいまいで知覚できない感覚、室なのに外の霧の中にいるような感じと言えばよいのでしょうか?
そこに突然モネの睡蓮が浮いているような。夢の中かと錯覚するような展示でした。

以前から見たかった、ジェームスタレルの体感知覚アートも見ることが出来ました。
「南寺」こちらは「家プロジェクト」の中の一つでもあります木造ですが安藤氏の設計です。


一日でこんなに多くのアートや建築を見る事で頭の中は飽和状態。
反芻しながら消化する毎日です・・・