category
-2025.12.18-
古民家(伝統工法)の耐震ダンパーが使える
古民家(伝統工法)のリノベーション依頼がありました。
耐震について不安もあるとのことで、リノベーションの際に改善できたらというご相談です。
石場建て(石の上に柱が乗る構造)の伝統工法は、実物モデルの振動実験からもわかる通り、
地震力をいなし、土壁や貫で変形を許容しつつ倒れない構造です。
建築基準法をベースに考えるなら、基礎をつくり土台とつなぐことが必要になりますが、地震力に対して壁を強くして耐える在来工法とは、そもそも考え方が異なります。
耐震についての「強さ」の考え方が根本的に違うにもかかわらず、法律に導かれてそちらに寄せなくてはいけない、という状況になります。
一つの選択肢ではありますが、改装範囲が限られていたり、小規模な改修の場合には、基礎改修は大がかりすぎて馴染まないこともあります。
伝統工法の耐震性について知る方法としては、限界耐力計算が一般的ですが、計算ができる技術者が少ないこと(私も只今勉強中です)もあり、時間がかかり高コストになります。導入にはハードルがありました。
悩ましかったのですが、リノベーションでよく使う耐震ダンパーメーカーに、伝統工法への採用事例について聞いてみると、「伝統工法にも最適です」との回答がありました。
土壁の施工方法やダンパーの取り付け方にも融通が利くため、大きな可能性を感じています。
ダンパーについては、2024年1月にも記事を書いていますが、今回あらためて再認識しました。
