合氣道建築家のブログ

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-2025.10.1-

FORMAは25周年を迎えました。「全体的に思考して、局所的に行動せよ」 

バックミンスター・フラーを初めて知ったのは、1985年頃(40年も前ですね)。三宅理一著『愛の建築表譚』を読んだことがきっかけです。

この本は先生に勧められて手に取ったのですが、当時のポストモダンのもっとも感覚的な次元で進行している建築や都市の様相を鮮烈に提示していました。そこに書かれている特徴こそが現代文化の根底に潜んでいる――そんな指摘が、アナーキーな言葉や映像とともに、なぜか強く惹かれて、今でもたびたび開く一冊となっています。

その中で出会ったのがバックミンスター・フラーです。以来、人生の折々に不思議と彼の思想が立ち現れてきます。たとえば、最小限の資源から最大の効率と機能を引き出す「ダイマキシオンハウス」。見た目は不安定そうなのに力が釣り合う「テンセグリティ」。

全体的に思考して、局所的に行動せよ 最小限を行使しつつ、最大限を達成せよ

自然界から学ぶことの大切さを説くところも心に響き、フラーの言葉は、今も示唆に富み思考に種を蒔き続けてくれています。

先月驚くべきことに、亡くなる前にバックミンスター・フラーが亀岡市にも来ていたらしいと聞きました。亀岡市には大本教の本部がありますが、当時そこにあった大本・日本伝統芸術学苑の顧問だったというのです。

ずっと亀岡在住、そして合気道を大本の道場で稽古させていただいている身としては、なにか縁のようなものを感じます。

そんな折、FORMAは9月1日で丸25年を迎えました。2人だけの小さな事務所で、事あるごとに進む方向について話すことは日常ですが、あらためて「これからの10年をどう描いていくか」について語り合う中でもフラーの言葉が浮かびました。

全体的に思考して、局所的に行動せよ。最小限を行使しつつ、最大限を達成せよ。

部分的ではなく全体として考える、そしてまずは自分たちの小さな暮らしから実践する。小さな型はやがて大きな型へとつながる。世界はフラクタル。

25年という時間を経て、次の歩みをどのように紡いでいけるのか。その問いを抱えながら、最小限を行使しつつ、最大限の達成へ向けて進んでいこうと思います。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。

京都の設計事務所 うつろい家デザイン FORMAフォルマ

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