住宅アーキテクト

中西義照のブログ

小さな家についての思い

カジュちいさな家

家族1人~4人で12坪から20数坪の家を設計し、クライアントの暮らしを見て感じる事。

どの家も内部空気の密度が濃いという事。
良い意味で良い気が流れていると感じるのです。
固有の心地よさが小さな家にあるように思います。

※あくまでも私個人の感覚なので一般論では有りません

_

心地よさの正体を言葉にしてみると

_

「家族其々の居場所がある」
暮らしの中でそれぞれが過ごす時間や場所が用意されている事、用意された場所は単一の用途のためだけに作られた空間ではなく多用途に使える場所なのでシンプルで無駄なくフレキシブルに作られている。

_

「ほどよい距離感が安心感に繋がる」
それぞれが過ごす場合、作業や行動によって使う領域が変わります。なので摩擦が無いように気遣いが自然と計られていて、日々コミュニケーションが活性化する傾向にあると思います。

そしてひとつ屋根の下のという器に住まう自然な家族の関係性が出来、信頼感、安心感が創出されるのではないかと思います。
_

「外部環境とのつながり」
暮らしの彩りは外部環境にも左右されます。光りや風、季節を感じる文化を持つ日本人は外部との繋がりを求めていると思います。

自然の近くに暮らす事、感じる事で心安らぐ居心地のよい場を形成すると思います。

_

小さな家には作る上で工夫する事、住まい手が暮らしの工夫をする事となります。

ハードとソフト両面から良い方法を考え、暮らしの中に取り入れる事になるように思います。

そうした作り方や住まい方のアプローチが心地よさを作る要因の一つなのかもしれません。

_

以前、狭小住宅について書いたコラムが有りました。

家の構成(ハード)については最近ではこのように考えています。

・限られた面積のスペースの活用密度を高める。用途を一つのスペースに重ねる事で床の使用密度を高め有効利用する
・外部(自然環境)とのつながりを持たせる。接点や中間領域を介して室内に気持ちの良い場所をつくる。
・仕切りを少なくして視線の抜けをつくり圧迫感の無い空間のする。平面的には壁を少なく又は視線の抜ける壁を作り、断面的には吹抜けやスキップフロアで視線にズレを作り抜けを創る。
・収納場所は分散、立体的に配置。 使うものは使う場所に収納、細かに置き場所を事前に考えておく。
・愛着を感じてもらえるように紡ぎ出した個性を設計に織り込み、名前を付ける。

等々

※温熱環境や構造(耐震、耐風、耐雪)についてはFORMAのベースとなる考え方が有るのでここでは書きません。

_

暮らしの工夫という(ソフト)については気持ちの良い暮らしを求める思いがあれば自然とそのような工夫が取り入れられると思います。(楽しみながら工夫が出来る事というのが大切になると思います。)

_

このような事は家の広さには関係なく設計の際に同じように考える事なのですが、小さい家の小さな空間ではそのような考えが空間の容積に反比例して思いの強さが濃く反映されているのかもしれません。

_

そしてもう一つ、言葉でうまく説明する事が未だ出来ませんが、小さな家は忘れ去られた大切なな何かを思い出させてくれる可能性を秘めているような気がしてなりません。

そんなところに、ボク自身はとても惹かれていて設計の際に大事にしたい事の一つとなっています。