合氣道建築家のブログ

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-2019.4.10-

なぜ音楽室・防音室を作る?人生100年時代

こんにちは。京都の設計事務所FORMAフォルマの中西義照です。

ベストセラーになっている、LIFE SHIFT(ライフ・シフト)リンダ グラットン(著)を読みました。人生100年時代が現実のものになっていくこれから先、家の持ち方、住まい方、暮らし方を考えるきっかけになります。おススメです。

音楽室・防音室というと楽器の演奏や練習をする場所を思い浮かべます。しかし、これからの人生100年時代において音楽室・防音室は、今までの役割からもっと広い意味を持つようになると感じています。必要とされる役割の変化を考えてみました。

■ 音楽室は「整える」場になる

これからの住まいにおける音楽室は、「音を出すためだけの防音室」ではなく、人が自分のリズムを取り戻すための、調律するための場として作られていく可能性も考えられそうです。

例えば、呼吸を整えたい人、心を鎮めたい人、仲間と音を通じてつながりたい人。楽器を演奏する人以外にも開かれた場所です。

■ 音楽室が生涯学習や表現の場となる

人生100年時代は、学び直しや自分を表現することの再出発が当たり前になる時代ともいえます。若い頃に習った楽器を再び手に取る人、声を出す喜びを取り戻す人も増えています。

そのとき必要となるのは、上手に演奏するための空間ではなく、心がひらく空間ではないかと思います。空間の響き、自然の光、身体が安心してひらく素材、室外とのつながり、そうした建築的要素が、人の内面を呼び覚ます装置になります。自分と向き合うための音楽室です。

■ 音を通じて循環を生み出す場になる

人生100年時代の音楽室は、一人の趣味の部屋を超えて、「音を通じて循環を生み出す場」へと発展していくことも考えられそうです。

たとえば、

  • 子どもたちの放課後の音遊び
  • 高齢者の合唱サークル
  • 週末の小さなコンサート
  • 心を整える音瞑想の会

音楽室に多様な使い方が重なり合うことで、プロとアマチュア、若者と高齢者、聴く人と奏でる人の垣根なく、音が人をつなぐ媒介となり、その役割を音楽室が担うかもしれません。

■ 人生100年時代の音楽室を作る設計者の役割

人生100年時代の音楽室・防音室の役割、そしてその場を作る設計者の役割も、時間の捉え方次第で大きく異なってきます。これからの音楽室の設計では、単に遮音や吸音の性能を追うのではなく、大切なことは「生きる力へとつながること」にあるのが見えてきました。長生きする人生だからこそ、ますます音楽室・防音室がこれから必要とされていくだろうと思います。

音楽室・防音室の事例は、どうぞこちらから「音楽室のある家」ご覧ください。

京都の設計事務所 FORMAフォルマ

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