いつか合気道の道場を設計したい
建築家のブログ

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-2018.9.6-

古材のレスキュー と再利用

日曜日、老朽化して危険なために解体する予定の古民家と蔵を 調査と見学に伺いました。

 

古民家が見られるとあらば頼んででも見に行きたい!

 

京都の設計事務所FORMA(フォルマ)建築研究室

建築を通して円満を届ける 合気道建築家^^の中西義照です。

 

二階建て 2間×3.5間の蔵 壁は意外と薄く7寸厚ほど。

小屋組は曲がった梁に束+母屋+垂木での屋根組

梁は丸太やエビ割のものが使われています。

仕口や継手の仕事がさぞ大変だったでしょうね!

かすがい(材と材をつなぐ釘)のサイズもみた事のないようなサイズと太さ。

この時代では必要なものだったのでしょうね。

 

こちらの古民家は元々火袋だった外壁の内部分 貫に土壁が塗られてウェーブしています。

これは京都市内、亀岡市内の民家で過去に見たことがある作り方。

階段室の上部のトップライト 壁の黒さと漏斗状の光の導き方がかっこいい^^

壁にある丸い穴の開いた棚のようなものは 番傘を置くためのもの。

小屋裏の漏斗部分

現代の建築家がこのような光の導き方をヒントにしている方もいるような気がしますね^^

この民家は住人に言い伝えによるとこの付近で大きな火災で民家が焼失したことがあり、復興にあたって材木が足りない状況の中で家を建てた人も沢山あったとか。

この家の場合は亀岡城が取り壊された時に出た古材を使って建てられたとか。

そんなことを聞きながら大黒柱を見ると 柱の中ほどにホゾ穴(接合部の仕口)を発見!

あながちほんとかもしれないと思いながら見るのも楽しい。

 

 

 

これは当時どの家にもあった 提灯とその置き場。

今でもこの町では秋祭りの時に軒下に吊るします。

 

こちらの蔵 ダリの絵画のような夢に出てきそうなグニャグニャとした空間。

製材技術が進んでいない時期の大工さんの技術は今とは比べようもないほど難しいものだったと思われます。(材料の寸法がそろっていないのが普通なのですから)

 

梁も一本他とは違う色(素材)でチョウナ跡のような仕上げが施されているものがありました。(気になる!)

 

こうしてみると、時を経た材料は他にはない存在感をもっいるように感じます。

解体して材木を処分するには惜しい、解体までの間にレスキューして再利用できないかを考えたいと思います。

 

設計中の案件や使いたいという人がいれば再利用出来るのではないかと思い過去にも古建具等を収集しています。

今回も可能な限りレスキュー出来たらと思います。

 

実家の整理の時にも感じた事ですが大きな物の処分は労力もコストもかかります。

特に古民家の方も再利用してもらえるならそれはとてもうれしいとおっしゃっていただいています。

 

個人設計事務所でできることは限られていますが少しでも長く使えそうなものはレスキューして再利用するような仕組みが出来たらなと考えています。

 

京都の設計事務所FORMA(フォルマ)建築研究室 建築を通して円満を届ける 合気道建築家^^の中西義照でした。

読んでいただきありがとうございました!!