いつか合気道の道場を設計したい
建築家のブログ

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-2017.11.10-

スツールの修理の方法だって考えます!

京都の設計事務所FORMA(フォルマ)建築研究室、中西義照です。

建築が好きで心地の良い居場所を探究しています。

 

合気道でご一緒させていただいている方から。

「中西さん。椅子の溶接して頂けるところご存知ないですか?」という問い合わせこのような写真と共に送られてきました。

 

見事にぽっきり。

もちろん、知っていますよ!!とお答えし、夜には現物を受け取りました。

 

頭に浮かんだのは、「堀金属工芸」の堀さん。

亀岡市の市美展、三年連続市長賞受賞された堀さん。

金属の加工や製作金物で困るような難しいものは堀さん。

無いものは作りましょう!の堀さん。

頼まれた方も、私と堀さんの関係をご存じだったのかも知れません。

そして工場へ搬入しました。

作業の手を止めてもらって、先に作業をしてもらえることになりました。

 

説明もそこそこに、流れるような段取りの良さ。

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先ずは、座面とフレームを取り外し、折れた部分の溶接の残りや塗装面の清掃とバリ取り。

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下地の調整が出来たことを確認し、アルゴン溶接。

アルゴン溶接はスパッタ(火花)が飛び散らず、仕上がりが美しい反面難易度が高く、高価な部類の溶接となります。

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そしてひずみを調整、溶接の熱で塗料が焼けてしまったので焼けた部分を取り除き、研磨してスチールの素地を出し塗装の為の下地つくりをします。

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フレーム塗装面(シルバー)の色合わせをします。

14年経つものなので色合わせが難しそうだなと思っていたのですがあっさりと標準色で近似色が見つかりました!

塗装の日は雨、若干湿度が高く、乾きが悪いので時間を空けて2回塗り。

 

周囲との違和感なく完成です。

 

頼まれた方から、

「きれいに直してもらって!」

とお礼の完成写真が届きました。

LC-6とよく合うスツールです。(グラフィックデザインを主とするデザインプロダクションのオフィス。かっこいいですね!)

オフィス開業の時からずっと大切に使われてきたというスツール。

空間の一部を切り取った写真ですが、凛とした空気の仕事場に会社の哲学にも共通する思いを感じました。

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そして、スツールがここに戻るお手伝いが出来たことが嬉しかったです。

設計事務所は建築を作る上で様々な方達との協働をしています。(家を作るだけでも20以上業種の方と接する事になります)

自分で作業は出来ないけれど、課題に対して最適な取り組み方や手法を導き出す事が得意な事なのかもしれません。

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家はもちろん、空間に設えてある家具や装飾備品、思いや時間の積み重ねられたものに囲まれ過ごす時間は心に情感をもたらし、豊かに心地良さに繋がる気がします。

長く大切に使えるものを選ぶ眼差しを持つ、大切にしたいことはなんなのかを知る事は心地よさをつくるファクターなのかもしれません。

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京都の設計事務所FORMA(フォルマ)建築研究室、中西義照のブログ「日々雑感」を読んでいただきありがとうございました^ ^

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■ 堀金属工芸 京都府亀岡市保津町宮ノ上43-1 ホリ金属工芸 (電話) 0771-55-9779

 

■ VISION QUEST CO”LTD 

京都市右京区山之内池尻町6 京都四条グランドハイツ424

グラフィックの製作を主とするデザインプロダクション

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