住宅アーキテクト

中西義照のブログ

吹抜けのある家をつくる理由

インスタグラム投稿ももうすぐ一年、次はどんな投稿しようかな!!と日々楽しみながらやっているわけですが、毎日事例を見ていたらふと気づいた事が有ります。

 

吹き抜けのある家がめちゃ多くないか?!! 

 

■旭町の農家 ■丹波町の平屋 ■ほどよい家 ■KISSACO ■NsHouse ■UTSUWA ■高台の家 ■音楽室のある家

■狭くて広い家 ■カエルイエ ■Domaine T ■テイネンゴノイエ#02 ■カジュトクラスイエ ■Tiny house ■テイネンゴノイエ#03

最近の実例では16件が吹き抜けを持つお家、HP上では6割6分!

 

こんにちは、京都の設計事務所FORMA(フォルマ)建築研究室

吹抜けの家、設計率6割6分の住宅アーキテクトの中西義照です。

 

吹抜け空間は天井が高く開放感や広がりという視覚的なインパクトは大きですね。

NsHouseに来られる方達もまずは吹き抜けにオオッーとなられる方が多いように思います。(子供たちは玄関のブランコにテンションあがるようです)

視覚的なインパクトを狙って吹き抜けを作っているわけではなくて、他にも理由があるのです。

その理由について書いてみましたのでご覧ください。

 

 

■空気の対流を促すための吹き抜け。

 

薪ストーブ、太陽空気集熱機器、エアコンを想定すると、暖かい空気は上昇します。

上の空気をシーリングファンや「そよ風」のように空気を循環させる仕組みを組み合わせ、空気の対流を促します。

空気の行き来がスムーズになるのが吹き抜けの良いところ。

家中の温度差を少なくすることにも一役買っています。

 

吹抜けがあると寒いのでは?という質問が時々有ります。

 

断熱性能や気密性能がしっかりしていれば暖房機器の組み合わせ方次第で家全体が暖かくなります。

 

(吹抜けのある自宅の実感としては十数年前の建て方で断熱や気密性能はそれなりそして全面窓なので暖房負荷は高いめですが空気の行き来はスムーズで暖かさが行きわたりやすいとは言えます。)

 

昨年、竣工したテイネンゴノイエ#03 (UA値:0.55W/㎡K Q値1.89W/㎡K)  は 「そよ風」 という空気集熱式暖房 と 朝、2時間のエアコン稼働のみで過ごされています。

冬場の朝で 17~19℃の室温という結果です。

吹抜けが大きくても寒くはありません。

(最近では窓の性能が格段に良くなったので性能も上げやすくなりました。)

 

■冬場のダイレクトゲイン(直達日射熱)を活かす為の吹き抜け

 

南に面した部分に吹き抜けを取ると南の壁面に設ける窓から太陽の日射を取り入れる事が出来ます。

吹抜けがあれば窓の面積を二層分(二倍)取る事も可能になります。(夏場の日射は遮る事も合わせて考えます)

日射は床や壁に当ると熱に変わります。

素材を蓄熱しやすい石やレンガ、コンクリート、タイル等の重量のある材質にすると蓄熱量が増え室温が下がっても放熱されるので温度の下がり方が緩やかになるのです。(断熱とのバランス、夏場の日射取得軽減が大切なので計算してシミュレーションをするのがおすすめです)

熱を取り入れやすくなるという利点もあるのです。

 

 

■光を奥まで届けてくれる。

天井が高くとれる分窓も高い位置に設けられるので光を空間の奥まで届ける事が出来ます。

壁面面積が大きくなるため光を拡散させる効果も期待できます。

密集地などで光を取り入れる事が難しい環境においても天窓と吹抜けを組みあわせる事で採光の自由度が格段に上がります。

 

■ 家族の距離が近くなる。

暮らしの中で個室で過ごす時間以外はどこで過ごすかほとんどの方が茶の間や居間なのではないでしょうか?

家の中のパブリック(公共)なスペースであるLDKを中心にして個室との間に中間領域を設けて吹き抜けとつなぐ事でワークスペースやサブリビングといった居場所を作る事が出来ます。

そんな居場所を作る事で、その時々で多様な過ごし方が生まれます。

吹抜けを介しているのでお互いの気配を感じながらほどよい距離感が出来上がっていくので気分に合わせて居心地のいい場所を見つければよいのです。

近づき、離れ、一緒に過ごす。

場面に応じた多様な使い方でコミュニュケーションが活性化するように思います。

 

吹抜けは空間のダイナミックな見せ場であるとともに余条件を解決するための装置として設ける事も有るのです。

その結果としての吹き抜けなのですがどうしても見た目のインパクトが先走るため説明がない限りは無駄な空間と思われることもあります。

視覚的な効果以外の理由を今回は上げてみましたがもちろん視覚的な効果も狙っているところもあります。

総合して6割6分の結果という事ですね。(笑)

 

先ずは思いつくところから書いてみました。

今回もブログを読んでいただきありがとうございます。