いつか合気道の道場を設計したい
建築家のブログ

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-2017.12.5-

照明器具の役割は明るさだけではありません

5時起きも一週間が経ち慣れてきました。

この時期は日の出前なので真っ暗です。

蛍光灯のデスクライト一つで仕事するのもなんか冬の寒い時期にはわびしい感じが付きまといます(笑)

ですが、手元だけが明るい状況は集中も出来るという良い面も有ります!!(タスクアンビエント照明ですね)

 

京都の設計事務所FORMA(フォルマ)建築研究室、中西義照です。

建築が好きで心地の良い居場所を探究しています。

 

 

亀岡で「自然薬ふやき本店」は江戸時代から続く薬屋さん。

縁あって、お店づくりのご相談ただいてからもう少しで3年経ちます。

 

今回はお店のレジ廻りと、商品陳列の一角を明るくしたいという照明増設のご相談。

先ずは図面上で現状把握。

設計しているので設計図があります、なので検討するにしてもこの辺りは非常にスムーズです。

梁の影になる形でレジ台の操作面に現状の照明では光が届いていないようです・・・

機種を調べてもらいましたが、この角度をカバーできるものは有りませんとの事。(探して頂いたS電気屋さん、ありがとうございました)

 

そして思いついたのが、現在リノベーション中のお宅に採用予定のモデュレックスの二軸のスポットライト。

早速図面化すると梁を避けて光が届きそうです。

メーカーにも検証してもらって問題ないとの事で機種が決定。

 

配光はレジ廻り:ミディアムと商品陳列台:ナローに決まり。

ここで言う、配光というのは単純に言うと光の広がり方の具合です。(詳しくはメーカー等の資料を参照ください)

ワイド→ミディアム→ナローという順に範囲が狭くなります。

 

そして色温度の選定は、店舗が電球色ベースの照明なので3500Kという電球色より少し白っぽいものが違和感がなく、明るさの感じも向上するという事で3500kに決まりました。

光を感じる感覚は個人差があります。

実物を見て判断するのが良いのですが、メーカーやデザイナーはクライアントや来場者の感覚に寄り添い相対化した上でデザインを求められます。

そのため、言葉での説明にも引出がたくさんあるように思いました。

すごくわかりやすい説明でクライアントにも伝わったかと思います。

 

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商品が届いたので、検品と点灯試験。

NsHouse自然光(薄曇り)の室内でこのような感じ取り付け高さは2400で自然な影も自然。

まるで太陽光の下のような自然さにびっくり。

 

器具はこのような感じ。

工業製品色が濃く 躯体の放熱フィンが機能美を感じます。

持ち出しの脚部に関節が有り回転するので軸をずらして光源の向きを調整出来た事、脚部の長さが今回の選定の理由です。(もちろん商品を照らすものなので演色性も)


そして取り付け!(肝心の照明器具は写っていない!)

右の壁面下あたりがうまい具合に光が届いています。

レジカウンター横では相談者とのカウンセリングや商品説明にもよりわかりやすくなりそうですし、自然な雰囲気となり気持ちも良くなったように感じました。

 

左の商品を照らし出す。

右隣の商品と比べると明るさと色合いがはっきりしました。

 

「これで売り上げ上がるかもしれませんね!」

 

とおっしゃっていただき非常に喜んでいただけました。

 

今回は明るくしたいので増設とのご希望でした。

 

使用できる機種が限られてしまう事でこの商品に辿り着いた訳ですが照明器具の持つポテンシャルの高さを目の当たりにすると明るさ以上に得られるメリットを感じました。

 

ボクの感想としては・・・

 

■自然な明るさで違和感がなく、照らされているという感じがしないのでリラックスできる。

■商品や物の色がきれいに見える。

■店内に光だまり(光の濃淡)を作る事が出来て居心地が良くなった。

■外から見たイメージも変わった。

 

照明は居心地にも関係する大切な要素です。

機能はもちろん、暮らしのシーンや場にとってしっかり必要な事を読み解き、最適な計画を心がけたいと思います。

 

京都の設計事務所FORMA(フォルマ)建築研究室、中西義照のブログ「日々雑感」を読んでいただきありがとうございました!

 

 

●おひとりおひとりに合わせた漢方選びの相談に乗っていただけるお店です。

亀岡市 「自然薬 ふやき本店」 

 

●今回使用した照明器具メーカー

光の情感 モジュレックス