住宅アーキテクト

中西義照のブログ

配筋施工時の注意点(検査員目線)

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私は住宅医の詳細調査、適合証明のための物件調査、耐震診断時の現地調査、瑕疵保険会社の非常勤検査員もしています。
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検査に行く物件はハウスメーカー以外の地域に建つ住宅のほぼすべての工事会社[(工務店や設計事務所、建売業者、FC(フランチャイズ)住宅会社、パワービルダー等々)]の物件を100件以上は検査をして見てきました。

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検査員目線で見ていると間違いが起こりやすい箇所が事前にわかるようになってきますので備忘録として残しておきます。

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検査基準は今でこそ各社が同じ検査基準で判断する事になっていますが、以前は瑕疵保険会社によって検査基準にバラつきが有りました。
私の登録している瑕疵保険会社では瑕疵保険の義務化が始まった時から、検査が厳しい、細かいところまで指摘される、是正が出来ないなら再検査となる。
と厳しくて評判でした。
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瑕疵保険義務化(H12)から5年~10年程度は工事の質に対する意識は非常にバラつきが有りました。
また、検査の指摘事項も非常に多かったと記憶しています。
しかし、厳しい検査が続いたおかげで配筋の標準とされる施工方法、工事に対する意識がすごく変わってきたと感じました。
工事業者さんも同じ指摘を繰り返される事が少なくなり非常にきれいな鉄筋を組まれている現場がほとんどになってきました。
その後H21年に設計施工基準が各社横並びとなり、細かな部分の指摘をする必要が無くなってからも、以前と同じように指導された方法を実直に引き継がれて工事される業者さんが今でも多く居られます。
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それでも、指摘や是正をお願いするケースもまだ有るのです。
指摘や是正をお願いする部分には共通する事があります。
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どんな所かというと
・複数の基礎が交錯するところの配筋
これは取り合い部分の配筋詳細図が有る場合は稀です。通常標準的な部分の詳細があり、独自判断で施工そして指摘という流れ。
交錯する部分は設計者の意図を監督が理解し、業者に伝える必要が有ります。
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・人通口と立上り交点の補強方法
こちらも標準的な詳細しかないため独自の判断で施工される場合が多く指摘につながる場合があります。
事前に設計者に優先する事項を確認する事で間違いを起こさないようにします。
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・べた基礎下部のかぶり厚
捨てコンクリートのサイコロの高さ不足、砕石にめり込み不足があります。
サイコロ高さを図面に記載、すべてに捨コンを打つ事でめり込みは止められます。
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・外周部からべた基礎ハンチ部分のかぶり厚
ハンチの掘削不良でかぶりが取れていないケース有り。
余掘りをしっかりする事で防ぐことが出来ます。
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指摘部分のほとんどは図面に記載がされていないため、ミスが現場で起こるべくして起こっているという事です。
対策としては、記載するか、配筋の標準図を添付する。若しくは設計監理者がよっぽど密に監理を行う事です。
これらでほぼ指摘や是正は無くす事が出来ると思います。
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今回は基礎配筋検査についてですが構造躯体検査、場合によっては外装下地検査、完成検査が有ります。
そのほとんどで同じような対応策でカバーが出来るのです。
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FORMAではこのような経験を活かし、工事に間違いが起こらない様に着手前に施工計画をヒアリングし注意点や質疑回答を通して施工の質を確保し実施するように監理しています。
監理と監督さんと協働して建築の施工技術や質を確保できるように日々意識する事が大切です。
監督さんは工程と業者の手配が主と考えられがちですが技術的な事にも先手先手で専門工事業者さん達の質レベルを引き上げていく重要な役割も有ります。
そういう意味で自主検査の報告を行ってもらっています。
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人が手作業で行う部分が多くあるので未然にミスを防いだり、違う人の目で間違いに気付き是正したり、設計と施工で役割は違えど同じ目標を目指す現場となるように日々努力する事が大切です。