category
-2025.7.22-
想像したことと、想像もしなかったことと。
新築後一年たったScenery House Mさんご夫婦の住まいを撮影させていただくことになりました。
家の完成と同時に家族になった1才の秋田犬が、私たちとカメラマンさん3人がウロウロするので元気に吠え続けてくれました。途中、ご主人がうるさいからと外に連れ出してくださって、暑い中外で過ごさせてしまい、おそらくかなり疲れたことと思います。

2人暮らしのご夫婦は、これまで転勤であちこちにお住まいでした。家ができたら犬を飼うと決めていらっしゃって、住むところが落ち着き家族が2人と1匹になりました。
犬と一緒の暮らしについていろいろ想像されていたでしょうが、実際はどんな生活かとお聞きしました。秋田犬という犬種名からも寒いところで育つ犬だろうと想像しますが、室内の温度設定について、ご夫婦の適温は秋田犬には暑いらしく、着るもので調節できる人間が犬に合わせる暮らしのようです。
また、散歩については、今年の夏も昨年に続き連日暑く、朝の散歩は毎朝5時起きだそうです。ご夫婦一緒に1時間ほど。
1日2回の散歩の2回目は、こちらも暑さから夕方から夜になるそうですが、それでも気温が思ったほど下がらない時はすぐに帰ろうと本人(犬)が意思表示するそうです。
毎日の犬の散歩から犬ネットワークが広がり、思わぬところで声をかけられるというお話も以前お聞きしていましが、犬を飼うことで顔見知りの方が増えたり地域の方とつながることは、想像されていたでしょうか。

家の設計中、庭の緑を室内から眺められると素敵でしょうが、虫は苦手ですとおっしゃられていた奥さまは、庭に植えたジューベリーでジャムができ、「庭から食べるものが収穫できるっていいな」と思われたそうです。
虫を好きになるわけではないでしょうが、虫もいるけど同じ生き物として緑が必要なのは人間も同じでしょうし、樹木や草木から楽しみが生まれることを日々感じ、距離が近くなったとしたらとてもうれしいです。
家が変わり暮らしが変わることで、ご自分たちが想像したことと、想像もしなかったこととがあると思います。違う言い方をすれば、想像できたことと、想像できなかったことがあると思います。
何かしら変化するきっかけはいろいろですが、大切にしたいことにあわせて変わることもあれば、体験してみてはじめて気がつき変わることもあるはずです。

想像できる範囲に限定することなく、「豊かに生きる」につながる可能性を含む家であるようにと思います。そしてまた、自分が豊かに暮らす、居心地よく生きることは、暮らしと接続する地域や社会やひいては地球が豊かであることとつながるのではないでしょうか。
犬を連れていることで会話がはじまる、果実があることで観るだけでなく内から外へ出て収穫する、受け身ではなくみずから動くことで、人とのつながりや自然とのつながり、可能性が広がっていくことを撮影の合間にお二人の暮らしをお聞きして感じました。
2人と1匹、暮らしをとても楽しんでいらっしゃるのが伝わりました。撮影写真を楽しみにお待ちください。ありがとうございました。