住まい方アドバイザー 中西千恵のブログ

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-2026.4.11-

久高島リセット合宿

いつもと違い日記代わりに書いたので、とても長いうえに思いつくままの散文です。あしからず。

4月2日〜5日、スマホも、タブレットも、パソコンも手放して、「何もしない時間」を過ごすために訪れた久高島でした。

初日、ガイドさんの案内で島を巡り、「神の島」と言われる久高の歴史・伝統を教えていただきました。夕方、夕日を眺めながら頭皮洗浄をしてもらうと、脳の中が軽くスッキリする感覚が広がるのです。なんとも心地よい。夕暮れの空を見上げると、円を描くように雲が広がっていて、その中心に自分がいるようでした。

翌朝、まだ暗いうちに起きて日の出を見に行きます。そして朝食。今回、民宿SAWAさんに作ってもらう食事のテーマは「輸血:血流をよくする」。さわさんといくみさんが作ってくださった一品一品には意味が込められています。丁寧につくられたものをみんなで黙食。ゆっくり味わう。

その後、ひとりで集落を歩きます。久高島の伝統的な木造の家は、どこも似たつくりをしていました。強い風から暮らしを守る工夫がされ、家はむき出しではありません。門から1メートルほど内に入ったところに衝立(ついたて)、完全に閉じるわけではなく、かといって開き放たれているわけでもなく。少しのぞけば、お互いの気配が感じられるような距離感で、家と道路や集落とのつながりはゆるやかでした。

どの家にも必ず縁側のような、内と外のあいだの空間があり、それは大きな屋根の下で、家と庭をつなげています。雨の日でも外にいることができ、窓を開けても雨は入らない。「内」と「外」が、ゆるやかにつながる場所に人の営みがあるのだろうと想像する時間。なんともいいなぁ。

3日目。

風が強く、本島へ渡るフェリーは全便欠航。島で出会ったおじさんに「閉じ込められたね」と声をかけられます。おじさんは、「たまにはこんな天気もいいよ」という言葉もくれました。その言葉が残ります。

強風でも、すぐそこに見える本島。でも、この日はこの海は渡れないのです。どんなに技術が進んでも、自然の力には抗えないことがある。その当たり前のことを、静かに受け入れている島の人たちや時間を感じることになりました。風がもたらした全便欠航という事象があったからこそ。

強い風の中でも、防風林に守られた道を歩いていると風の存在を忘れるほどでした。観光客のいない1日。人の気配のない森と畑に囲まれた道。小さな畑。途中にいた牛。ただただ、ぶらぶらと自分のペースで歩く。そして、スマホを持たないことで、写真を撮らなくていい気楽さ。見える景色。聞こえる音。肌で感じる空気。

輸血がテーマの食事は体に変化をもたらしてくれました。初日の夜は、みんなで「寒いね〜」と言いながら食事をしていたのに、日が経つにつれ、体の内側がぽかぽかと温かくなっていたようです。体温が上がったのか、血流が良くなったのか。理由はわからないけど体の変化を感じました。

さらに、変化がいくつか。自宅に帰ってくると、掛け時計のチクタクの音が聞こえます。すっかり音に慣れて聞こえなくなっていたものが聞こえます。そして、視力も回復していました。

普段は近くを見る生活で、スマホやパソコン、本に焦点を合わせる日々。それが、久高での4日間は遠くの景色や空を見て過ごしたせいか、いつものようにメガネをかけると逆に見えにくく感じるほどでした。でも、多分、これはすぐに元に戻るでしょう。とても残念ですが。

今回、一緒させていただいた皆さんとは、ほぼ初めまして。肩書きも、経歴も、あまり知らないまま過ごした数日間でした。それでも、それぞれの人の内側に触れたような感覚がありました。振り返りの時間がその感覚をさらに豊かにしてくれました。主催のマサさんに感謝です。

スマホを手放し、時間、合理性、それらから少し離れてみた時間。そうしたら、自分の中を流れている時間に、耳を澄ませることが少しできた気がします。

久高島で過ごした4日は「何かを得る」時間ではありませんでした。ただただ、私にとっては、自分に還っていく時間だったのかなと思います。

ご一緒してくださったみなさん、、「千惠さーん、久高島行きませんか〜」と誘ってくださったかゆきさん、久高島リセット合宿よかったよと投稿してくれたからこその今回の企画が実現したみやちゃん、主催のマサさん、お食事と宿をお世話になったさわさん、いくみさん、三線聴かせてくれたちーちゃんとりゅうくん、そしてアンジュちゃん。ありがとうございました。

そして、またおいでとおっしゃってくださったおばあちゃま安里さんはじめ、島のみなさんのなんとフレンドリーなことでしょう。3泊4日、1年の1%、いい時間でした。