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-2026.6.22-
「ていねいに使ってあげてください」
先日、止まったままだった懐中時計が生き返りました。亡き父の机にあった懐中時計ですが、ずっと止まったままだったのが気になっていました。
古いもので、長いあいだ止まったままだったこともあり半ばあきらめていたのですが、思い切って、亀岡のさくらい時計店へ持って行ってみました。
「直るかどうかわかりませんが、お預かりします。」
それから一か月あまり。
先日受け取りに行くと、カチカチカチカチ……。時を刻む音がします。
「古いものなので、壊れやすいです。ていねいに使ってあげてください。」
時計店のご主人が言ってくださった言葉です。時計への愛情を感じ、なんだか心があたたかくなりました。きっと、ていねいに修理してくださったのでしょうね。大切にしているものを大事に扱ってもらえるのはうれしいです。

こうして大事に残していきたいものを修理し使い続けられるのは、それを支えてくれるお店や職人さんがいてくださるからこそです。今回の時計の話だけではなく、私たちの暮らしのまわりには、受け継がれたり磨かれた技術や知恵があります。ですが、それらは当たり前のように存在し続けるものではないように思います。
それらが残り続けていくために何ができるだろうと思います。
環境のこと、地域のこと、伝統や文化のこと、大切にしたいと思うことはいろいろあり、それらを未来につないでいくようなことができたらいいと思います。ですが、何をどうすればいいのか、答えが見えないことも多々あります。
社会を変えるような大きなことでは全くありませんが、まず目の前の自分にできることをする。何をどこで買うか、何を選ぶか、どのように使うか、誰に頼むか、自分が決める小さな一歩を大切にしたいと思います。
今回、懐中時計が動き出したことはもちろんとても嬉しいことでしたが、こうして古いものを大切に扱い、その向こうにある人の思いまで受け取ってくださるお店が身近に存在することがさらにうれしいことでした。そんな人やお店が地域にあることはとても幸せです。
ていねいに使います。ありがとうございました。
修理して残していきたいもの、そして、それを支えてくれる人やお店の存在を思い浮かべることはあるでしょうか。