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-2024.7.19-
いちばん大事な人はだれですか
NPOの週一スタッフの日、NPOやファシリテーションに関する新しい本を棚におさめていたところ、なんとなく目にとまった一冊を借りて帰ってきました。
『半農半X的 これからの生き方キーワードAtoZ』
随分前の一時期よく聞いた「半農半X」という言葉の生みの親、塩見直紀さんの本です。AtoZ、最初のキーワードは、A=間柄。そこに書かれた物語です。
”ある国の皇帝が3つの質問の答えを探していました。「いちばん大事な時間はいつか?」「この世でいちばん大事な人は誰か?」「いま何をすべきか?」というものです。
世界中の賢者に尋ねてもわからなかった皇帝は、がっかりして散歩に出ました。その時、井戸の水を汲む少女に出会います。皇帝は3つの問いを質問してみました。
娘はこう答えました。「いちばん大事な時間は、いまこの時。いちばん大事な人は、いま自分の横にいる人。いまなすべきことは、自分の横にいる人に善行をおこなうこと」と。
皇帝は喜び、少女が持っていた重い井戸水を代わりに運びました。自分の横にいる娘に善いことをしたいと心から思ったために。”
著者:塩見直紀(2023) かんがえるタネ 半農半X的 これからの生き方キーワードAtoZ 農文協 p21
ロシアの文豪、レフ・トルストイが遺した物語のようです。「目の前の人に、この対人観で接することができたらと思うのです。」という著者の塩見さんにとても共感します。
いちばん大事な人はだれですか?
この質問になんと答えるでしょう。「自分」と答える人、「家族」と答える人が多いでしょうか。自分を大事にできるからこそ人を思いやれるのでしょうが、「間柄」というキーワードで思考をめぐらせた時。
いちばん大事な人は、いま自分の横にいる人、いま自分の目の前にいる人。いちばん大事な時間は、いまこの時。いまなすべきことは、自分の横にいる人に善行をおこなうこと。
まだ読み始めたばかりで本の感想にさえもなりませんが、心にとどめたい一節の書き留めです。
たまたま車で通りかかった蓮畑。 清楚であわくやわらかな花の中に、ちょこんと仏さまが座ってられるのを見つけられそうでした。7月19日、暑さしばし忘れたし。