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-2023.7.14-
便利なことより優先したこと
先月末と先週末と２週続けて建築の工事現場へ行ってきました。
工事がスタートすると、設計者と施工担当者さんとの打合せは毎週行われますが、私が現場へ行くことは少ないので、実際に自分の目で見て感じて暮らしを想像する貴重な時間です。
京都の建築設計事務所 FORMAフォルマ 住まい方アドバイザー 中西千恵です。
足場にシートがかけられているのでまだ外観は見ることができませんが、屋内に入ると雨上がりでイキイキしている敷地の北側の緑に目をうばわれました。
南の明るさもいいものですが、ここは北側にも大きな窓をとってあり北からの落ち着いた光がたくさん入ります。
光と一緒に、窓全体から借景になる一面の緑が室内へと入ってきます。
風が抜けて、光がはいり、緑がすぐそこにある。
なんて気持ちがいいのでしょう。
南にできるお庭も楽しみですが、敷地内の植栽がまだ施されてなくてもこの気持ちよさがあるのは豊かですね。
ここの環境へ行き着くまでには、予算、環境、家への思いなど、天秤にかけて考えられたことが多々あったと思います。
最初から少し不便でも緑の多いところを探されたわけではないとお聞きしています。
結果、自分たちが居心地よくいられる家を大事にするため、土地の価格の高い便利な市街地ではない選択になった。
駅から近い、スーパーが近い、学校が近い。
便利なことを追いかけると、一般的に言われるいい土地を探すことになりがちです。
それより、家を優先したい。
その思いがあっての、この環境なのでしょうね。
家はどんな場所であり、どんな意味をもつのでしょうね。
カタチや素材や色はもちろんですが、うつり変わりのある緑や光も、目にみえるものとしての気持ちよさがあります。
そして、流れる時間、人との関係、目にはみえないけれども感じる気持ちよさというものもあります。
どちらも人が生きる場所に大切にしたいものだと思っています。
現場を自分の目で見ながら、『見えるものだけにとらわれない』家づくりを一緒に考えていきたいなぁ。
そんなことを思っていました。
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