住まい方アドバイザー 中西千恵のブログ

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-2025.12.5-

自分で組み立てない旅がとても楽しいです。

気さくで素敵なご夫婦にご一緒していただいた1人東京は自分で何も予定を立てずの旅でした。

ご主人とはeumoアカデミー同期のつながりで、奥さまは絵を描いていらっしゃる作家さんです。

どこかへ行くとなると必ず美術館のチェックをしますが、東京はそれこそ美術館だらけというほど大小たくさんあります。ですが、週末の人気のある美術館はどこも人がたくさんな気がして足が向きませんでした。そんな中、品川駅でご夫婦にピックアップしてもらい、以前から気になっていた日本民藝館へ行くことになりました。

訪れた日は棟方志功展の会期中でした。以前、青森で棟方志功記念館(2024年3月31日閉館)へ行き、それまで有名な版画作家という印象しかなかったのですが、はじめてじっくり観た作品の力強さにすっかり惹き込まれてしまいました。展覧会は見応えのある作品が多々展示されていましたが、記念館で観た作品の力強さは特別で、青森という場所の影響でしょうか記憶に濃く残っています。

今回は、こちらの日本民藝館の重厚な佇まいが素晴らしく、建物に目が向かいました。ここはどなたかの邸宅だったのだろうかと思いましたが、1936年に柳宗悦が中心となり設計され当初から民藝運動の本拠として建てられたそうです(旧館)。

初代館長は柳宗悦が就任し、現在はプロダクトデザイナーの深澤直人さんが館長です。

落ち着いた住宅地にある日本民藝館を満喫した後。

次に向かったのは、中米産コーヒー専門店「カフェテナンゴ」。前職はカフェオーナーをされていたご主人おすすめのお店です。コーヒー通も満足できるコーヒーがいただけるのはもちろん、めずらしい南米・エルサルバドル料理のププサ(トウモロコシから作られた生地に、豆のペーストやチーズ、肉など具材を包み平にして焼いた料理)もいただきました。店内はラテンの雰囲気が楽しげです。

いつもお会いするときに持ってきてくださるコーヒーがこちらのお店のものだということだったので、この機会に購入しないという選択はありません。こちらで自宅へのお土産ができました。

腹ごしらえをした後のご夫婦ならではの個性的な視点での東京ぐるっとドライブは、二階建て東京観光バスでは到底案内されないであろう場所から王道といったところまで、スペシャルこの上ない楽しさ。

画家の奥さまのおすすめのギャラリーBLUE POOLや、ここは何を食べても美味しいという中国家庭料理「山月」で食事をして、お二人のアトリエ兼ご自宅へ。

ご自宅兼アトリエの空間は、奥様の作品&好きな作家さんの絵はもちろん、器やガラスや小物や、あらゆるものがご夫婦のお気に入りのもので、それらに包まれた空間のなんと心地よいことでしょう。そして、好きな作家さんの作品は購入して応援したいとおっしゃるお二人。

お金を何に使うかということは、そのお金がどこに流れていくか、何を応援しているかにつながっているということでしょうね。買い物は選挙だと言われますが、日常のものはもちろん、ものづくりやアートを応援されていることが伝わってきます。

翌朝は、美味しいモーニングコーヒー&エッグベーカーの卵という幸せな1日のスタートでした。エッグベーカーは(写真右の取手のある器)、そのままコンロにのせて焼くととてもいい具合に目玉焼きができるそうなのです。(蓋付き)

ご自宅にもたくさん飾られていた奥様の作品。中でも「白い犬シリーズ」は、「白い犬は犬ではなく私たちそのもの」のようです。

白い犬の表情や行動は私たちの日常の一コマで、なんて愛らしいのだろうと感じます。犬だからではなく、男性も女性も、老いも若きも、私たちは、それぞれ愛らしい日常の一コマ一コマを紡いでいて、その瞬間を捉えた眼差しが優しく、ユーモアに溢れています。

写真は、今年のカレンダー、10月の押忍!/ Osu! と展覧会のDM

実際の絵画は立体で、側面まで絵が続いていたり、前から見ても横から見てもなんともクスッと可愛いらしいです。

【shiho murofushi】

来年のカレンダーを予約して帰ってきたところ、先日、自宅に届きました。我家にお越しの際にはぜひご覧ください。日常にちょっとクスッとユーモアのあるカレンダーは、クリスマスやお正月のプレゼントにもとてもおすすめです。

旅をするとき自分の好きな場所や好きなことに時間を使うのはもちろん楽しいに決まっていますが、こうして自分では何も予定せず、人の好きなことに一緒に行く旅を数年前からとても楽しいと感じています。

思ってもみなかった世界がのぞけたり、知らないことを知るきっかけになったり、到底自分では計画できなかったことであって、それは楽しいこともあればそうでないこともあるでしょう。どちらにしても想定外の経験になるのは間違いないのです。そして、人を知ることで、さらに好きになったり、違う一面が見えたりが楽しく、そのつながりはとても大切だと思っています。