住まい方アドバイザー 中西千恵のブログ

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-2023.11.23-

自分で見つけるべし

次回、青森へ行ったときのための備忘録としてもどうしても書いておきたい「かまくら」という居酒屋のお話です。

10月の青森最終日は、青森市内の便利なホテルに素泊まりで予約をしていました。地元のお店へ食べに行きたかったのです。とはいえ、なにも事前情報はなく、さてどこへ食べに行こうかとスマホを手に取ったところ、「青森に住んでました」というOさんからのメッセージ。

このタイミングで青森に住んでいた方からコメントが入る偶然に驚きつつ、すぐに「美味しいお店教えてください」とメッセージを送ると、ホテルから歩いていけるおすすめ居酒屋を2軒紹介してくださいました。

居酒屋かまくら

お店の前に到着すると、「当店は観光の方や旅行の方には不向きです。」と、書いてあるではありませんか。私たちが入っていいものかと少し迷いつつも、電話予約をしておいたので大丈夫だろうと、おそるおそるガラガラと戸を開けたのです。

入って納得、お店独自のシステムがあり、これは行き慣れた人と行った方が戸惑わなくていいはずです。まず、ビールとハイボールは自分で冷凍庫からジョッキをだして、自分でサーバーからつぎます。その時「もらいます」とか「つぎます」と声をかけます。注文は自分で付箋に書いてカウンターに貼ります。さらに、空いたお皿やコップは自分で返却します。

そして、ズラッと壁に貼られたメニュー、どれもそそられ迷います。迷う気持ちを見透かしたように「当店におすすめはありません。自分で見つけるべし。店主」の言葉が目に入ります。

あっ、そうですよね。全部美味しいと思うものを出してますということなんだろうと、お店の雰囲気から妙に納得します。

まぐろの中落ち、にんにくホイル焼き、銀タラのしょうゆ漬け焼き、干し鱈のスープ、豚ホルモン、すじこめしを注文。多分、ここはハズレがないでしょう。美味し〜と、何度2人で言ったことでしょう。

さらに、Oさんにおすすめしてもらった、青森のお酒『田酒』。非常に美味しいお酒でした。普段、日本酒は好んで飲もうと思わないのですが、非常に美味しく飲めてしまいます。

いい気分で、お隣のテーブルの同年代っぽい方に話しかけてみると、なんとも気さくで楽しい地元の常連の方でした。反対側のテーブルは3人男子。焼き上がりに60分かかる『男はハンバーグ』を注文されていて、それがあまりに大きくすごいなぁと驚いていたら、切り分けてどうぞどうぞと勧められてもらってしまいました。よほど食べたそうな顔をしてたんでしょうか。

なんとまあ、みなさん気さくなんでしょう。楽しく美味しい青森の夜は、偶然のグッドタイミングのメッセージから、なんともすてきなお店がきっかけで、人とつながることになりました。

本当は私たちのような旅行者は、お店に不向きなのでしょう。ただ、それを感じさせることない店主や常連さんがいる居酒屋かまくらは、青森に10年暮らしていたというOさんがおすすめしたいお店の筆頭にあげられるのでしょうね。

そして、次回青森へ行くならきっと私たちはここへ行くでしょうし、どなたかにお店を紹介するなら迷わず紹介することになるのでしょう。美味しいだけではこの気持ちが生まれることはないでしょうね。

「自分で見つけるべし」は「自分で決めるべし」に読み替えられそうです。同感。気持ちのいいお店でした。