建築現場日記
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-2024.9.21-

基礎工事 @陽と樹の家

先ずは掘削からです。

掘削の為には基準となる地盤面の高さがはっきりしていないとどれだけ掘る必要があるのかが明確になりませんので地盤面の高さを基準になる不動物(今回は前面道路のマンホール蓋中心)から基準高さを決めています。

工事の際に確認する事項

・配置寸法、周囲の空き寸法 :図面通り

・設計GL(地盤面の基準になる高さ):図面通り

・擁壁から1.5m範囲について地業の際に転圧(重いランマー使用し入念に行う)し床付けを行う:工務店さんから職人さんに伝言し (写真提出)

・仮設トイレ位置 :OK

・表示板:配筋検査時に取付 看板は準備済

・仮囲い:OK

・既存道路を傷めないように指示:L字側溝天端養生

・次工程の予定を確認

・配筋検査日9/25 午前中  コンクリート打設9/26

・コンクリート打設にあたり事前に強度確認をする為、設計基準強度、温度補正を加味した呼び強度(発注強度を算出) 施工者に報告を求める

現場からの報告で今後の課題として

擁壁の水抜き穴から降雨の際(激しい雨)に水が排出されていたことがありました。

地鎮祭時に北東角が湿気ていたのが気になっていましたが排水計画を考えておく方がよさそうです。

北側に雨水桝を東西二か所に設けているので 簡易的なU字側溝を設けて枡に接続するのが良いかと思います。

今後相談したいと思います。

まだまだ暑い日ですが工事関係者の皆さんありがとうございます!

-2024.9.17-

風致地区許可 長期優良住宅確認申請済@陽と樹の家

風致地区は五種地域 

建築では形態や素材、色様々な規定があります

敷地では建ぺい率 緑地面積確保等守るべきことが沢山あります。

今回の敷地は風致地区と修景地区にまたがっていました。

風致地区の敷地のみで建ぺい率をクリアする必要があったことが悩ましいところでした。

長期優良住宅については

耐震等級3

外皮基準等級6

となっています。

今回はいつもと異なる民間確認検査機関で手続きを行いました。

担当の方が同じ建築士会の方でとてもスムーズに事務処理が行えました。

9/13に京都市への認定申請を行い着工可能となりました。

-2024.9.10-

許認可 申請作業 @陽と樹の家

今回の計画地は風致地区、山ろく型修景地区 にまたがる敷地。

敷地の風致地区部分の面積のみで建ぺい率40%以内にする必要があるのです。

これは中々厳しい基準 今回はぎりぎり40%以内に納めていたのが良かったです。

許可の一歩手前まで進んでいます。

確認申請も補正が終わり風致地区の許可待ちで通知となります。

長期優良確認申請は構造の訂正も終わり意匠の訂正も完了後は受付してもらい京都市に認定申請が終われば着工可能となります。

目途が立ってきました!

地鎮祭も終わりいよいよ現場が来週あたりから着工となる予定です!

-2024.7.22-

設計打合せ @陽と樹の家

仕上について相談中です。

金額の増減を見ながらひとつづつ納得のいくように進めていきます。

人によって気になるところは色々です、気になっているところは紐解いていくとその正体がつかめてきます。 

其々の想いがわかったうえで選択する。 そんなことを積み重ねた結果自分達らしい家が出来上がって行きます。

打合せの後、FORMA内でもキッチン収納について更に検討した結果。

キッチンで見せたいもの隠したいもの 

動線、空間のバランス等々 

打合せの内容と異なる場合もありますが家電タワーの提案です。

さて次回も楽しみです。

-2024.7.1-

外皮性能計算 @陽と樹の家

外皮計算で求めるのはUA値です。

UA値とは建築の内部から壁(窓)、床、屋根(天井)を通り逃げる熱量を外皮全体で平均化した値です。

数値が小さいほど熱が逃げにくく、大きいほど逃げやすいと捉えてください。

長期優良住宅の認定申請を行う場合は以下の性能以上が求められます。

断熱性能 等級5【UA値0.6W/㎡K以下】かつ一次エネルギー消費等級6【BEI:0.8以下】 の性能とする必要があります。

2024年現在、住宅建築においては未だ長期優良住宅認定、フラット35省エネ以外では断熱性能、省エネルギー性能基準の適合義務はありません。 

(性能を数値化して住宅設計に取り組んでいる所とそうでないところ玉石混合の状態です)

2025年4月からは適合義務化が予定されていますが

断熱等級4【UA値0.87W/㎡K以下】、省エネ等級4【BEI:1.0以下】 は 義務化と言ってもあまりに低レベル過ぎる。

世界のUA値と比較すると

6地域だとイタリア:0.4 米国:約0.42 スペイン:約0.46 韓国:約0.55

2.3.地域 ドイツ:0.4

6地域で日本の0.87と大きな開きがある事がわかります。

FORMAの性能設計の手順です。

先ずは建築地の環境把握

気象庁のデータと建築設計用気象データで確認します。

気象庁のデータは観測地点が限られていますがこちらはピンポイントでデータが抽出できるのでより地域の特性が把握しやすいです。

京都市は6地域に入りますが建築地は市内の北に位置し冬場は中心部と比べて気温が約1度低く、降水量も12-2月間で約20mm多い、風速も一年を通して0.3m/Sほど速い

地域区分は6地域ですが 5.5くらいのイメージです(私感)

続いてHEAT20の外皮水準地域補正ツールを使って計算して大まかな性能を予測を確認します。

6地域での断熱性能では等級5【0.6W/㎡K)

G1でも不適合となります。

煖房期最低温度が11.4度

6地域での断熱性能では等級6【0.46W/㎡K】

G1は適合となりましたがG2は不適合

暖房期最低温度が13度

G2レベル適合を目指した場合

6地域での断熱性能 等級6【0.42W/㎡K】で計算するとG2概ね適合となります。

今までの設計した家の性能的にはこのレベルにすればお施主さんは冬場でもエアコン一つで暖かい家と感じていただけます。

省エネ性能もこの断熱性能であればBEI:0.8以下とバランスすることが多いです。

FORMAでよく使うコストバランスのよい断熱仕様で「陽と樹の家」のUA値を計算してみました。

結果は【0.39W/㎡K】

屋根断熱の性能を高めているため同じ面積の建物でも屋根が多い建物の方がUA値が小さくなります。

陽と樹の家も下屋があるので有利側に働いたようです。

更により良くなるように建物燃費ナビでシミュレーションしながら仕様を決めていきます。

-2024.6.24-

構造設計 許容応力度計算 耐震等級3     @陽と樹の家

構造設計の進め方

プラン時におおまかな構造計画と直下壁をイメージしながら空間構成の整合性を取っています。

この時点で協業する構造設計者に耐震等級3以上の性能が出るか確認します。

といってもこの段階で実際に計算を進める訳ではなく構造設計者の概算で進めます。

この段階で建物のバランスや弱点が見えてくるのでその部分を補完する工法や手法を構造設計者とやり取りしながら基本設計を固めていきます。

基本設計が出来上がります。

配置図、平面図、立面図、断面図、仕様が確定した段階で許容応力度計算をして柱、梁、壁が地震力に対してどのような力がかかりどのような大きさが必要かを確認していきます。

その結果を基本設計とすり合わせを行いよりよくなるように実施設計を進めていいく事になります。

今回は建築環境と建物間口の関係で南面吹抜+スノコからの日射と空気の流れをつくるパッシブ設計としています。

構造的にはこの部分が水平構面の力伝達不足が予想されていたのでこの部分はコボットステンレスロッドにおいて力の伝え方を補います。

これは以前の事例においても使用した方法です。

そして耐力壁を一枚追加することで等級3がクリアできました。

もともと追加する場所は想定していたので大きな変更とはなりませんでした。

でもお施主さんはドキドキされたかもしれません。 (すいません)

実施設計を進めていきます。

大まかなところはほぼ出来上がってきていますが肝心の断熱、省エネ性能についての検証を進めていきます。

-2024.5.24-

概算予算の為、仕様検討 【陽と樹の家】

いつも悩ましい予算内に納めるための作業。

ここ数年の建築工事業界では工事費の高騰が問題になっています。

近々の見積もりを踏まえて予算計画をしていますが設計段階でコストアップにつながる要望がある場合は当初の想定と異なることからお施主さんとに相談しながら進めることになります。

風致地区の使用可能な素材からコストアップにつながるところとしては屋根の横葺き素材、外構植栽といったところ。

今回は性能を確保しつつ工種や手順を減らす事で工期短縮とコストダウンを計れないかという事を考えています。

検討事項としては

・外断熱を行い内部の壁を省く事

・内部仕上げ大工さんが行う仕上げを選ぶ(内装工事や塗装工事を省く)

・床下地を貼り仕上げ材を張るという二つの工程を下地=仕上げとなる素材選び

・天井貼る範囲を少なくする。構造を現わす仕上げとする

・住宅設備、工務店が掛け率交渉を既に行っているメーカーの商品を選定

 等々

既にいくつかは概算見積を行いコストダウン効果を確認しています。

外断熱化、内部の壁省く方法はコストダウンにはならずコストアップになる項目となり見送り従来の工法に戻します。

そんなことをやりながら基本設計を進めているます。

一方で仮決めした仕様で概算見積もりを進めているので同時に対案の見積もりも進める予定です。

構造設計の方も既に相談を開始していて南側吹抜部分の水平剛性を高める方法は想定通りのコボットブレース採用の方向が決まりました。

開放感を得つつ剛性も確保する時に使います。

-2024.5.21-

陽と樹の家

鷹峯三山(鷹峯・鷲峯・天峯)を背に、京都盆地の北の端に位置するここの地域は、寒暖の差が大きく鮮やかに四季がうつろう場所でもあります。また、旧光悦村という歴史は、風致地区という規制になって景観、風景が今後も守られていきます。

新しい住まいの計画です。太陽の光や熱、風、雨水など、自然の恵みを最大限に活かし、ゆったり流れる時間、静かな落ち着いた暮らしを包む家は敷地内の樹々と一体化し、周辺の景色をつくり、地域の風景となっていく想定です。