陽と樹の家
-2024.5.24-
概算予算の為、仕様検討 【陽と樹の家】
いつも悩ましい予算内に納めるための作業。
ここ数年の建築工事業界では工事費の高騰が問題になっています。
近々の見積もりを踏まえて予算計画をしていますが設計段階でコストアップにつながる要望がある場合は当初の想定と異なることからお施主さんとに相談しながら進めることになります。
風致地区の使用可能な素材からコストアップにつながるところとしては屋根の横葺き素材、外構植栽といったところ。
今回は性能を確保しつつ工種や手順を減らす事で工期短縮とコストダウンを計れないかという事を考えています。
検討事項としては
・外断熱を行い内部の壁を省く事
・内部仕上げ大工さんが行う仕上げを選ぶ(内装工事や塗装工事を省く)
・床下地を貼り仕上げ材を張るという二つの工程を下地=仕上げとなる素材選び
・天井貼る範囲を少なくする。構造を現わす仕上げとする
・住宅設備、工務店が掛け率交渉を既に行っているメーカーの商品を選定
等々
既にいくつかは概算見積を行いコストダウン効果を確認しています。
外断熱化、内部の壁省く方法はコストダウンにはならずコストアップになる項目となり見送り従来の工法に戻します。
そんなことをやりながら基本設計を進めているます。
一方で仮決めした仕様で概算見積もりを進めているので同時に対案の見積もりも進める予定です。
構造設計の方も既に相談を開始していて南側吹抜部分の水平剛性を高める方法は想定通りのコボットブレース採用の方向が決まりました。
開放感を得つつ剛性も確保する時に使います。
-2024.5.21-
陽と樹の家
鷹峯三山(鷹峯・鷲峯・天峯)を背に、京都盆地の北の端に位置するここの地域は、寒暖の差が大きく鮮やかに四季がうつろう場所でもあります。また、旧光悦村という歴史は、風致地区という規制になって景観、風景が今後も守られていきます。
新しい住まいの計画です。太陽の光や熱、風、雨水など、自然の恵みを最大限に活かし、ゆったり流れる時間、静かな落ち着いた暮らしを包む家は敷地内の樹々と一体化し、周辺の景色をつくり、地域の風景となっていく想定です。
-2024.5.17-
風致地区の協議 陽と樹の家
計画地は変形地で風致地区と山ろく型建造物修景地区にまたがる敷地です。
風致地区の規制には外観の素材、形態、色、緑地義務、建ぺい率低減、後退距離等が有ります。
今回は敷地が変形しており、隣地との高低差があることから擁壁が敷地内に突出して築造されている事も有りパッシブデザインと様々な与条件を満足するため規制ぎりぎりのラインを攻めた計画になっています。
風致課担当者に事前にヒアリングしてプランを固めたところ課題とは異なる部分を指摘されたりで一進一退でした。
協議の課題点は二つ
1.後退距離緩和について
2.道路面における2階外壁ライン後退の取り扱いについて
担当者から風致課の見解の定義を事細かに確認したりデザインやスケッチを描き風致課の意思決定がしやすくするように提供したり、アイデアと風致課の考えをすり合わせた結果良い案にたどり着きました。
ARCHICAD(アーキキャド)という世界で使われているBIM(ビルディングインフォメーションモデリング)を使っているので計画段階からこのようにモデル化するので初期段階から形態などの共有がしやすいのです。
その代わり二次元CADに比べると入力作業は非常に増えるのですが・・・
計画段階から実施段階までデータを無駄にすることなく使える事、施工段階にも施工者に立体的な説明が可能なので採用しています。
個人事務所同士で協業する時もクラウドデータを其々で作業して一つの建築設計を行う事も可能ということにも将来性があると思います。
今回のお施主さんは3Dデータを可視化する技能をもっておられるようなのでこれからの打合せも面白いことになりそうで楽しみにしています。
今回は外観の骨格が決まったことにより基本設計を確定できることになりました。