ひびきのアトリエハウス
-2024.4.20-
ひびきのアトリエハウス 解体工事
解体工事も大方進み、既存の状態が現れてきました。
柱を金づちでたたき、白蟻の食害や腐朽が進んでいないか確認していきます。
更に含水率も測定、高くても15% 健全な状態です。
雨漏りしていたところの含水率も低く、腐朽もなくて安心です。
1階は柱、土台とも健全な状態でした。
前回見つかった外壁下地の白蟻害部分と合わせてその他の劣化部分が無いかを確認し今後の是正内容を相談したいと思います。
上の写真は柱の下に人通口があるのはいただけません。
気になるところを見つけました。
土台の継ぎ手がずれており、同時に基礎立ち上がりの人通口角が大きくひび割れています。
地震か不動沈下で動いたのでしょうか?土台下のモルタルの厚みが違う部分も当時の施工精度なのか?
昭和53年当時の建物とはいえ予想どうりの精度で設計時にそのあたりを改善する事を織り込んでいるものの当時はこんな方法だったのですね。
今回の改修で前出のひび割れ箇所の補強とその他の部分は可能な限りの改善と今後の地震に対する備えとして布基礎を底板コンクリートでつなぎ基礎を一体とする予定です。
2階の屋根見上げ。
所々雨漏りあとはあるものの補修がされているようです。
現場確認後更に基礎の補強計画をすり合わせて来週の基礎工事に備えます。
-2024.4.9-
ひびきのアトリエハウス 解体中
内部の解体中
天井と壁がはがされた状態です。
耐震診断時に目視出来なかった耐力壁部分を確認する事が出来ました。
耐震診断計算に正しい情報を入力して評価を再計算します。
耐震補強では軽量化、耐力壁の補強、バランスの適正化に加え制振ダンパーを設置したうえで時刻歴応答解析による耐震性能評価を行い安全性を確認します。
*1995年兵庫県南部地震神戸海洋気象台観測波100%
*2016年熊本地震KiK-net益城観測波100%
解体の方は残材が残っているためすべての確認とはいきませんでしたが概ね構造材のサイズや組み方は確認できました。
調査時にお聴きしていた雨漏れ箇所については雨漏りに起因しての構造材の腐朽などは確認できませんでした。
ただ他の場所にも雨漏れや水が入っていた形跡が数か所ありました。
壁下地が無くなるほどの白蟻や腐朽被害箇所がありました。
白蟻被害部分は減築部分なので撤去出来ますが腐朽部分は補強方法について検討する必要があります。
部分的に補修かこの際外壁を刷新するかどちらかの方法となります。
リフォームにおいては解体すると構造体の健全性がはっきりしてきます。
仕上だけのリフォームでは建物の構造体の状態まで把握できないので長期の利用を考える場合は構造体の健全性を確認しておく事が大切です。
今週末にきれいに除去できた状態で再度 劣化部分を把握して相談したいと思います。
-2024.4.2-
ひびきのアトリエハウス 解体工事
2024年4月1日 月曜日 解体打合せが始まりました。
一週間ほどで建物内部と外部の駐車場拡張部分、道路際のCBなどを撤去する予定。
その後、構造部材の確認をして補強箇所が想定通りに工事が進められるか検討。
この部屋からの桜を活かしたい。
道路向かいの竹林が住宅地に変わってしまったのが想定外でしたが敷地内に竹を植える事になり目隠しと室内からの景色になる予定。
来週4/8(月曜日)は現場確認に行きます。
工事の状況を投稿していきますのでよろしくお願いいたします。
-2023.12.24-
ひびきのアトリエハウス
2020年のご相談当時、ご両親(車いす利用のお父さま)と娘さんご家族との四世代同居の為の改装計画だったのが、コロナ以降お父さまが亡くなられ、お母さまも施設に入られました。ご自身の暮らしと生涯のワークである音楽とともにある暮らし、仲間との交流、響きを伝え合い滞在もできる場になるプログラムに変更となりました。
お住まいは昭和53年築の木造建築で、大覚寺の北に位置する嵯峨山上陵のふもとです。有栖川沿いの敷地は、京都の風致地区という瓦屋根など使う素材が限定される景観に規定がある地域です。周囲は自然に囲まれ、東と南は川越しに嵯峨野の田園風景が開ける抜けのあるロケーション、春には川沿いの桜が目の前に咲き誇ります。
自然に近い場所での日々の暮らし、そこに同時に存在する響きや調べ。様々な楽器の奏者と音を愛する仲間たちとの交流の場であり、暮らしをシェアできる建築にコンバージョンします。そしてそれは、将来の多様な暮らしが実現できる可能性を併せもつことになりそうです。