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耐震診断
-2025.10.29-
耐震診断とは
既存住宅の耐震性を現地調査に赴き計算を行い建物の評点を求める事です。
評点1.0:震度6強の地震に対して倒壊、または崩壊する可能性が低い
評点1.0~0.7:震度6強の地震に対して倒壊、または崩壊する可能性がある
評点0.7以下:震度6強の地震に対して倒壊、または崩壊する可能性が高い
想定されている大地震とは、”数百年に一度”程度起こる「震度6強」クラスの地震です。
“数百年に一度”とされていますが、1995年に発生した阪神・淡路大震災以降に震度6強、7の地震は能登半島地震も含めて23回も発生。毎年のように発生しており、いつどこで大地震が起きてもおかしくないのが現在の日本です。
この評点1.0ですが実務の中で驚くべきことが最近わかりました!ご興味のある方はこちらのブログ
「新耐震基準の家だから安心は本当でしょうか?築20年の家を耐震診断した結果」をご覧ください。
先ずはご自身の家、購入前の家を改修をしようとしておられる方は耐震診断を受けていただき、家の耐震性能(どのくらいの震度で倒壊するか)を知ることから始めてください。
リノベーションを考えておられる方は住宅医による既存住宅調査を受けていただき改修の可能性や拡張性の幅を見据えたうえで耐震改修することをお勧めします。
調査の流れ
調査検討・依頼前(図面、公的資料の有無の確認、調査見積提示)※図面がない場合は測量、図面化費用が別途必要です
↓
調査依頼(申込書受領後 調査日程時間の調整、小屋裏、床下経路確保依頼、写真撮影の許可)
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現地状況調査(調査当日に調査内容説明)概ね2時間前後
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報告書完成(調査日の次の日から2週間程度。※調査内容によって異なります。)
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報告 診断報告と改修可能性の検証結果
↓
調査報告業務完了
耐震調査診断費用の目安
図面が存在する場合
延床面積 調査費用の目安 
~100m² 約150,000円+税
100~200m² 約200,000円+税
200㎡以上  見積もりいたします
耐震評点が1.0を下回る場合は耐震改修の可能性(評点1.0以上にできるか) についての検証を行います。
評点1.0以上を目指す場合、優先工事項目や補強個所の可能性提案を行います。
ご参考までに
既存住宅はつくられた年代ごとに地震に対する性能が異なります。
理由は大きな地震が起こるたびに研究がなされ法律が改正されより安全な基準になってきたからです。
大まかにはこのようになっています。
1950年(昭和25年)以前 建築基準法施行 ※伝統工法と在来工法が混在している
1981年(昭和56年)以前※旧耐震:現在の規定に比べて著しく耐震性能が低い在来工法が存在している
2000年(平成12年)金物接合、バランス計算が規定された
2009年(平成21年)瑕疵保険の義務化 基礎、接合金物の使用率が高まる
2025年(令和7年)軸組計算 係数見直し

昭和56年以前の旧耐震の建築について地震時の倒壊や国民の生命の安全を担保するために耐震化が国の目標として進められています。
耐震補助金などはそれを進める為の施策の一つです。
新耐震(昭和56年から平成12年)の既存住宅も耐震診断するほうがよい
FORMAでは昭和56年以後の新耐震のリノベーション設計をする中で耐震診断をすると基準値以下の評点となる建物が数件ありました。
耐震診断では劣化診断を行うため評点が低減されるということが理由としてあります。
他にも接合部に金物が使われていない、劣化部の改修をしていない、以前の地震により一部破壊などの事象が保全されていないなど理由はあります。
もう一つは作られた建物による性能の個体差が大きいからです。
瑕疵保険の検査、公的資金の担保調査を行っていた経験から確認申請の完了検査を受けておらず検査済が発行されていない、設計者、監理者が機能していない、工事会社による技術や知識差等が存在しているようです。
このような経験からまずは耐震診断を受けて建物の安全性を確認することが大切だと感じています。
-2023.1.11-
@SALTHOUSE リノベーション 内部造作

このブログを見ていただいている方々、現場の皆さま。
本年もよろしくお願いいたします。
さて内装の大工工事、終わりが見えてきました。
今週いっぱいで大工さんの担当部分が終わり、内装工事に入っていきます。

測って切りカンナで面を取り、取り付けていく動作も無駄がありません。
あと少しです。
引き続きお願いします。

既存の建具類も要所で使っていきます。
これはお母さまが住んでおられた時の記憶として引き続き新しくなる家にもその記憶を残したいというご家族の想いでもあります。
-2022.11.5-
@SALTHOUSE リノベーション 基礎/大工工事
基礎の状況確認から、基礎の位置を再検討し工事が進んでいます。
配筋工事が終わり型枠が設置されました。

柱、土台の不朽箇所は取り除き健全化、新たな基礎がささえてくれます。

基礎工事期間中、2階と屋根工事は進められることから、先行して屋根工事を行っています。
大屋根は完了、下屋根は新設との接続があるので新設部の出来上がりを待って再開する予定です。

大工さんから2階床のレベル(高低差)を聞いています。
三間満たない距離で20㎜の高低差があります。
過去の災害、経年劣化・・・様々な理由が考えられますが
下階の状況から推察しても当てはまる事象がありません。

水平に直す事が求められていますがこの家の場合は既存を利用する部分も多くあるのですべて直すとなると逆につじつまが合わなくなるところが出てくるという問題があります。
畳から床板貼に変更するところは下地調整をする。
直に貼る廊下は調整可能な範囲で行い、各部屋と廊下は見切りを入れて調整することとなりました。
下地調整する場合にも既存の下地材を緊結しなおし固定度を高めて新たな下地を設置してもらっています。

壁も同様に新壁部分にふくらみのある個所があることがわかりました。
この部分も壁下地によって不陸を調整していくことになります。
建具を既存利用するために接点部分の納まりをつじつまが合うように検討することとなりました。
こうしてどんどん工事の範囲が増えていくことが多いのです。
しかし、状況確認をしていかにきれいに、納まりよく検討し選択していきます。
一部剥がされた壁の内に筋交いが入っていることが確認できました。
の柱脚、柱頭に引き抜きが起こるので金物設置を要件等です。

以前は部屋と廊下だったこの空間の垂れ壁を撤去しひとつながりのパブリックスペースにします。
2階の居心地のよい場所になりそうです。
次週は2階の梁補強、 金物補強の工事打合せを行います。
-2022.10.27-
@SALTHOUSE リノベーション 解体工事2
解体もだいぶ進んでいます。
基礎、土台、柱の足元の状態を確認して見回ります。

基礎の高さと土台のサイズ。


元々トイレだった過度の柱の柱脚は腐朽が進んでいました。
この部分は新たに基礎をつくるところなので腐朽部分は取り除き新たに土台と緊結します。

そして二階の床組み状況も確認し今回の改装と補強箇所について検討していきます。
柱を抜く部分があるので荷重のかかり方を読みながら上部の梁の補強を検討します。
床板は根太を大入にして下地板で緊結する方法で施工されています。
この時代にい多い根太を梁の上に直行させて床板を張る方法より床の水平強度は高いです。
更に水平構面を固める為に火打ち金物という部材を打って固めていきます。

耐震診断では土壁と思われていたところに土壁が存在していないことがわかります。
その代わり筋交いが入っているので耐力的には問題ありませんが変わっている要素を含めて再度、改修耐震計算を行い確認します。
結果は想定以上、壁強さの偏りを調整してOKです。

二階はこんな状況。
垂れ壁を取るだけで見通しよくなり光が入って明るくなりました。
来週は祭りの為 鉾町であるこの町内は通行止めになります。
来年、この家でお施主さん家族はお祭りを楽しまれる事でしょう。
-2022.4.28-
@クラノイエ 補助金 中間検査
京都市の耐震補助金について報告です。
2022年度は補助金が財政難の為中止となりました。
ただし町家の有効利用や改修については普及活動をしていくとの方針らしいです。
おそらく京都市では最後の補助金物件かもしれません。
そんな中検査はは泣く子も黙る 京都市安全推進課からお二人の検査員。

ですが変更なく進められたこともあり無事合格です。

よかった!!
-2022.3.11-
@Improve House 構造補強

許容応力度計算を行い 梁もすべて再計算させると持たない部分がいくつか出てきました。
下から梁を追加しボルトで縫う方法でずれを止めます。

床の合板が張られました 。
世間では材料不足で入荷が遅れていますがこちらは監督の直さんが前もって確保していただいていたようで問題なく予定通りに進みます。

屋根部分もほぼ完了。

金物の補強も進んでいます。
こちら、現場の抜け防止のための手がかりです。
-2022.1.17-
Improve House 工事前準備中
OBお施主さんの同級生の家です。
既存住宅を購入し予算内でリノベーションしたい。
これから暮らすために劣化改修と共に必要な性能も高めたい。
その要望が可能なのかを判断するために購入前に現地調査を行い、劣化箇所、建物の性能を把握。
結果は予想以上に劣化は少なく、基礎構造も問題なし、耐震性も担保されていてリノベーションするには最適な素材と判断しました。
今回で分かったことは建築基準法 2000年基準以前の住宅でも素性の良い住宅は存在するという事。
一般的には1981年以前は新耐震基準の境目の年で新耐震になったのですが2000年の木造住宅耐震性の強化までは耐震壁量は増えたものの施工方法は1981年とあまり変わらない。(金融公庫住宅は金物設置が必要)という認識でしたがこんな物件もあるのだなという感想。
無事、購入となり基本設計を進めることになりました。
その後、概算工事費を設計と同時進行で算出する方法をとり比較的短期間で契約まで行うことができました。
建物の引き渡しが1月末なのでその後からの工事となります。
お楽しみに!
 
 
