リノベーション
京都市右京区
構造:木造2階建て
敷地面積:228.67㎡
延べ面積:112.61㎡
竣工:2024年8月
嵯峨の自然豊かな環境に建つ住宅のリノベーション計画です。敷地は川と道路に挟まれた細長い形状をしており、建物もまた、その敷地に呼応するように細長い構成となっています。
既存建物について
容積率や建ぺい率が現在の法規に適合していなかったため、減築によって建物全体を再構成しました。風致地区の許可取得や完了検査までを見据え、法的な整理と空間の再編を同時に行うことで、これからの暮らしにふさわしい住まいへと更新しています。
計画テーマ:この土地が持つ豊かな環境を、暮らしの中へ取り込むこと。
川に向かって開口を設け、外部へと連続するデッキを介して各室をゆるやかにつなぐことで、川向こうの景色や庭の木々、隣地の桜など、周囲の自然を日常の風景として感じられる住まいを目指しました。室内にいながら外とのつながりを感じられることで、空間に広がりと奥行きが生まれました。
さらに、それぞれの部屋から異なる景色や光、風、気配を感じられるよう、居場所を丁寧に整えました。この土地だからこそ生まれる心地よさを建築として編み込み、その場に身を置くことで初めて感じられる豊かな時間を大切にしています。
住まいには、ピアノをはじめとする音楽活動の場としての役割も求められました。演奏する人も聴く人も、どの部屋にいても自然とのつながりを感じられる構成とすることで、音が室内だけに閉じるのではなく、周囲の環境と響き合う体験となることを目指しています。
また、この住まいには、「人が集う場」と「日々の暮らし」を無理なく共存させることも求められました。ピアノ教室やワークショップ、小さな演奏会を開催できるだけでなく、遠方からの参加者が滞在できる機能や、将来的には民泊として活用できる可能性も備えています。
その一方で、高齢期を見据え、車いすでも利用しやすい動線や、一階だけで生活が完結できる間取り、断熱性能の向上など、これから先も安心して暮らし続けられる住環境を整えました。
こうした多様な要望に対し、本計画では部屋ごとの用途を固定するのではなく、空間同士の関係性によって使い方が自然に変化する構成としています。リビングは家族が集う場所であると同時に、人々が集うサロンとしても機能し、日常と活動が穏やかに重なり合う空間となりました。
東側に残された庭は、今後、植栽や古瓦を用いた土塀によって段階的に整備される予定です。道路からスロープでアクセスできる庭は、地域に開かれた小さな交流の場として、これから少しずつ育っていくことと思います。
多様な人が音楽を通して出会い、新たな関係が生まれる場所であること。そして、一人で静かに自然と向き合う時間も大切にできる住まいであること。どちらも大切にしながら、新たな生きがいと、穏やかなつながりが育まれていくことを願っています。
建物そのものをつくるだけでなく、自然とのつながり、人とのつながり、そして、その場所だからこそ育まれる暮らしの心地よさを住まい手と共に丁寧にかたちにしました。
京都府亀岡市
構造:木造2階建て
敷地面積:200㎡
延べ面積:126.30
家族構成:夫婦 子供2人
竣工:2023年3月
【リノベーション 自分たちらしく整えなおす】
ご主人の実家、今は母が一人で住む。
関西への転勤、母親の介護を期に二世代で住む家にリノベーションをすることになりました。
住宅医のスキームを使い建物調査を行い設計を進めました。
方針
☐耐震性 改修前の診断結果をもとに計画、方針が固まったら目標を決めて耐震性能を高め評点を1.0以上を目指す。
☐断熱性 天井、壁、床は充填断熱、窓は樹脂窓を採用。
☐機能性 住まい方アドバイスによる使い方の一例を提案。
☐情緒性 暮らしの中での風景(内部、外部のつながり、インテリア、照明)。
☐身体性 居心地が良いと感じる事、心身共にストレスを少なくする。
ライフステージに合わせた暮らしが出来るよう今回のリノベーションで整える。
認知症のお母さまの記憶に沿った意匠を行う。
ライフスタイルの変化と各種性能向上、劣化改修を行いました。
京都亀岡市東本梅町大内
構造:木造2階建て
敷地面積:340㎡
延べ面積:180.47㎡
家族構成:一棟貸し
竣工:2019年10月
亀岡市の里山にある昭和57年築の住宅が2018年に空き家となりました。当初、和室は明るく開放的な空間であったのに対し、かつて居間だった場所は日中でも薄暗く閉鎖的で、里山の景観を全く楽しめない状態でした。
改修は、費用や手間を最小限に抑え、物理的な変更を極力抑えつつデザインや設えで効果を出す手法で行いました。
コンセプト
・変わらない本質的なもの(不易)を大切にしながら新しい変化を取り入れていくこと。
・使い方を限定せず、使う人が自由に解釈できる余白を残すこと。
・何度も訪れたくなる居心地のよさがあること。
現在は、二間続きの和室、洋室、台所のある1階全てを半日からレンタルできるスペースとして活用しています。賃貸借契約で長期使用も可能です。また、別棟の納屋は広い作業スペースと2階に個室があり制作アトリエ兼住居としての活用を検討中、農地(畑)の利用も相談可能となっています。
壁:土壁(荒壁)素地/下部ベンジャミンムーア塗装
床:ボルドー松板 (株式会社 丸嘉)
建具:設計FORMA/製作小林建具店
キッチン:設計FORMA/製作小林建具店
水栓:グースネック混合栓(TOTO KWC35ER)
シンク:実験用流し(TOTO SK106)
京都府亀岡市
構造:木造 平屋建て
竣工:2024年3月
こちらは里山で暮らす家H邸の第5期工事です。母屋の隣に位置する納屋につながるトイレ棟のリノベーションです。母屋と離れの改修ができ、トイレの外観が気になっていること以外にも下記のような問題点がありました。
・2室あるトイレの1室が狭くて使いづらい
・ガレージから母屋への出入りにトイレの通路を通るが、狭くてL字クランクになっているので荷物をもって通りにくい。
外観に加え上記の課題を解決する為に、対角に抜けるラインを動線とし残りのスペースを2つの室に分けることにしました。
また、外仕事からトイレを使うことや、普段から来客が多く、田植えや稲刈りイベントでは80人ほどの大人と子どもが出入りをします。掃除のしやすさを考慮し、フローティングデザインの便器と水を流すことができる仕上げにしています。
外壁、内壁:杉板張り箱目地押さえ、紅柄塗装
サッシ:アルミ樹脂複合サッシ ペアガラス
床:モルタル、小便器下 御影石磨き仕上げ
天井:杉板 無地
建具:ハンガードア 杉板張り
便器:TOTOレストパル
手洗い:信楽焼きボウル
水栓:クロスハンドル横型自在水栓
京都市西京区
構造:木造2階建
敷地面積:201.47㎡
延べ面積:135.86㎡
家族構成:夫婦 子供2人
竣工:2022年5月
Improve House -改善する家-
既存住宅を購入し予算内でリノベーションしたい、これから暮らすために劣化改修と共に必要な性能も高めたい。その要望が可能なのかを判断するために購入前に現地調査を行い、劣化箇所、建物の性能を把握し、許容応力度計算を行い耐震性の強化と劣化部分の改善を行いました。
「自分たちらしく整えなおす」
家全体を、暮らしの機能が必要な空間と居場所に分け、間にどちらにも属さないニュートラルな空間を挿入します。ニュートラルな空間は住まい手の要求に合わせて、どちらの空間としても使うことが可能となります。
例えば、子供の遊び場、室内物干し、家事スペース、ダイニング、読書スペース 用途を決めないことで多様な使い方を住まい手が楽しめる空間です。
今回は既存の形態がその様なプランを暗示していたことと、玄関から中庭までの視線の抜けがとても気持ち良い印象があることからうまれました。元々存在している気持ちの良い場所をいかすこと、新しい住まい手のこれからの暮らしをイメージした時の、居場所と風景をつくるということを意識したプランです。
京都市伏見区
構造:木造2階建て
敷地面積:68.42㎡
延べ面積:72㎡
竣工:2022年7月
祖父母が昭和35年に蔵を購入し住居に模様替えをして長年暮らしていました。他界されてから空家となっていた住宅を、住居兼仕事場として使うためのリノベーションです。
蔵の意匠を残しつつ、耐震と温熱の改修において、住宅医の診断方法の一つである性能向上調査を行いました。
劣化耐久性、耐震、温熱性、省エネ性、バリアフリー性、火災時の安全性、それぞれの性能が向上するように設計しています。
用途は、近所に住むお孫さんの将来の住居兼仕事場ですが、家族が暮らす母屋から歩いていける距離にあり離れ(別邸)のようでもあります。
兄弟姉妹の家族が集まったり泊まったりできる場所として、独立して仕事場としてなど、これからの使われ方が楽しみな住宅です。
※こちらの物件は、京都市の「まちの匠の知恵を活かした京都型耐震・防火リフォーム支援補助金」を利用しています。
☐耐震診断の評点は0.05~0.30 改修後の評点は1.01~1.06 ※1.0以上は一応倒壊しない
☐断熱工法 屋根:外断熱スタイロフォームt=150 外壁:外断熱EPSt=60 基礎:べた基礎底面、立上りネオマフォームt=90 開口部:樹脂アルミ複合サッシ
☐機能性:収納、動線、日常の暮らしを想定する住まい方の提案をしています。
☐情緒性:蔵の外観を大切にすることで開口部が限られますが、少しでも多くの光を採り入れ、外部との連続性を感じられるようにしています。
☐身体性:仕事場、居間、お店 多用途に使えるフレキシブルな空間にしています。東西軸、上下軸に抜けを取ることで、空気の流れと、下階にも光を取り入れる計画としています。
京都府亀岡市
構造:木造伝統工法平屋建て
延べ面積:144 ㎡
家族構成:夫婦
竣工:2019年9月
築90年超の茅葺の古民家を住み継がれてきたNさんご家族。 これからもこの家に住みたいが耐震性、冬の寒さ、段差が沢山ある等老後の不安を抱えておられました。
今回は住宅医による詳細調査を行い、事前に建物の状況を把握した上で予算と要望、その他の与件を整理し設計を行いました。
調査の結果、建物の西側に石垣が近接しており湿気が建物(劣化)に影響を与えていることが確認されました。
構造は伝統工法である石場建ての軸組で屋根はさす又組となっています。
更に、2か所の増築の痕跡が確認できました。
増築時の無理が構造体に現れていて 部屋の真ん中に柱がある等 生活に不便さをもたらしていました。
劣化が進む環境を改善し整え、劣化部分を改修した上で 耐震設計、温熱設計、機能性改善の設計、古いものを活かすデザインを心掛けました。
亀岡市の木造住宅耐震改修事業費補助制度も同時に活用しており、京都新聞社の取材を受け耐震改修の事例として記事掲載されています。
<strong>改修の方針概要</strong>
劣化改修
・屋根葺替(雨漏れ/傷み)
・樋交換
・外壁補修
・構造体 柱、梁の白蟻害
断熱改修
・屋根裏(小屋裏断熱GWt=210 105+105)
・外壁ふかし壁充填断熱(ゾーンを分けて断熱)
・開口部 断熱補強 樹脂サッシを追加
・床下断熱設置(ネオマフォームt=90)
耐震改修
・耐震診断上部構造評点の向上 偏芯を無くす方向で0.7以上を目指す
・基礎の増設
・耐力壁の追加
・水平構面の確保(コボットブレース)
・柱、梁の金物補強
・耐震ダンパー設置
・さす又の拘束部材追加
機能改修
・平面計画の変更(家事軽減/機能向上(段差少なく)/美観向上/古いものを活かす/等)
・設備機器の新設(浴室/トイレ/キッチン/洗面/給湯機器/薪ストーブ 等)
・仕上げ材の取替
京都府亀岡市
構造:木造2階建て
延べ面積:123.71 ㎡ 1F:89.75 ㎡ 2F:33.96 ㎡
家族構成:夫婦、子供2人
竣工:2018年5月
京都、大阪、兵庫に接する亀岡市の里山で、築60年超の古民家をリノベーションして暮らすFさんご家族の住まいです。
今回のリノベーションは亀岡市の移住促進住宅整備事業を活用した一号物件です。
又、亀岡市の木造住宅耐震改修事業費補助制度も同時に活用しています。
耐震と温熱環境を改善するために、1階の土壁部分は外側に外断熱を施し、杉板貼り部分は耐震壁と外断熱の壁を設けています。
2階は、将来断熱化が出来るように窓廻りの納め方を工夫しています。
間取りについては、1階の水廻りは共働き家族のライフスタイルに合わせた収納や動線を住まい方アドバイザーが提案しました。
2階は以前の雰囲気をなるべく残しつつ、物置を吹抜にし土間に光を取り入れるようにしています。
<strong>改修の方針概要</strong>
劣化改修
・屋根葺替(雨漏れ/傷み)
・樋交換
・外壁補修
・構造体(白蟻害)
断熱改修
・屋根裏(小屋裏断熱GWt=210 105+105)
・外壁ふかし壁充填断熱(ゾーンを分けて断熱)
・開口部 断熱補強 現状の木建具の外側に樹脂サッシを追加
・床下断熱設置(ネオマフォームt=90)
耐震改修
・耐震診断上部構造評点の向上 偏芯を無くす方向で0.7以上を目指す
・基礎の増設
・耐力壁の追加
・水平構面(2F)の火打ち梁追加(下屋部分)、2F耐力壁線下部の梁補強
機能改修
・平面計画の変更(家事軽減/機能向上/美観向上/古いものを活かす/等)
・設備機器の新設(浴室/トイレ/キッチン/洗面/給湯機器/薪ストーブ 等)
・仕上げ材の取替
京都市東山区
構造:木造2階建て
延べ面積:151.01 ㎡
家族構成:夫婦 子供1人
竣工:2018年1月
<strong>設計趣旨</strong>
築50数年の工房併用住宅
建築主である陶芸作家の藤平伸氏が、柱や梁は大正時代に東山二条にあった油問屋の蔵2棟のいいとこどりをして移築し、工房兼自宅として建てた家です。大きな吹抜けのある土間空間、収集されていた小道具や自身の作品が至る所にあり、空間と相まって濃密な空気感を醸成していました。
部分的な経年劣化はあるものの、構造体は寸法の大きな部材が使われた建物です。今回の改修では、作品展示をする記念館、収蔵品庫と住居スペースを機能的に分けながら緩やかに区切り、それぞれがより快適で居心地をよくするために、建築当初の空間や雰囲気を活かした設計としています。建築当初の素材使いに氏の考えや想いがあると考え、途中に改修されていた部分を当初のものに戻しつつ、整合させていく手法をとりました。
記念館は、吹抜けのある回遊動線の展示スペースと二階小間という構成になります。小間は氏の画集が観覧できると共に展示スペースを見下ろすことができ、太陽の動きによってはステンドグラスから差し込む光のインスタレーションを楽しむことができます。
一年を通じて自然の光や偶然の事象を感じながらここで仕事をされていたのではないかと想いを馳せました。建築当時のままを活かすことで、作品と空間の関係性や、そこに流れる作り手の想いを感じていただけることを願います。
<strong>改修の方針概要</strong>
劣化改修
・屋根は桟葺瓦に葺きかえられている
・外壁のひび割れ部分補修
・構造体(湿潤箇所の改善)
・外構(門扉等)の補修、刷新
断熱改修
・びおソーラー設置
・基礎内断熱(ネオマフォームt=60)
・1階のみで暮らせるゾーン内で仕切れる計画
・開口部(内窓)設置
耐震改修
・耐震診断上部構造評点の向上 偏心量を少なくし0.7以上を目指す
・基礎(ベタ基礎)増設
・耐力壁の追加
・水平構面の強化 2階床面の強化
機能改修
・記念館部分、作業場、住宅部のゾーニングによる平面計画の変更
・記念館部に専用トイレ増設
・住宅部の回遊動線化
・設備機器の刷新
・以前改修に用いられていた新建材を建築当初のイメージと合う材料に取り替え整える
・2階は住宅部から記念館用途に活用
・2階は収納に備えての床強化