いつか合気道の道場を設計したい
建築家のブログ

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-2013.8.31-

建築見学  志賀直哉 旧居 高畑サロン  20130809

奈良市高畑、春日大社からささやきの小道を抜けると志賀直哉の邸宅が有ります。
志賀直哉自らが設計したとされ1929年に完成しています。

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自然の風景に恵まれ、静寂でしかも明美な敷地に建つ数奇屋です。
風景を借景としながらも敷地内の庭と呼応する建物配置となっていて見学時は夏の暑い時期にもかかわらず、建物内に涼しい風が吹きぬけていました。

一階は書斎、書庫、女中室、台所、食堂、サンルーム、茶室、水廻り、寝室、子供室、居間
2階は客室が2つ。
当時としては珍しいダイニングに続くサンルームがあり庭園へと繋がります。
文人画家の集いの場となっていて高畑サロンと呼び、ここに集まる人たちは高畑族と呼ばれていたようです。

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ここでの暮らしの中では多くの文化人たちと芸術を論じ、時には遊びに興じて、友人・知人たちとの心の交流を大切にした時間であり、
家族の平和と健康を望み、子供たちの家庭教育を行い、家族の絆を育んだ生活だったようです。

一時期は米軍の生活施設となっていた時期もあり、改修工事が施されていました。

直哉の時代に戻す平成の修復工事が行われ現在の姿になり、一般公開されています。

随筆奈良の一説に
「兎に角、奈良は美しい所だ。自然が美しく、残っている建築も美しい。
そして二つが互いに溶けあってゐる点は他に比を見ないと云って差支えない。
今の奈良は昔の都の一部分に過ぎないが、名畫の殘欠が美しいやうに美しい。
御蓋山の紅葉は霜の降りやうで毎年同じやうには行かないが、よく紅葉した年は非常に美しい。
5月の藤。それから夏の雨後春日山の樹々の間から湧く雲。
これらはいつ迄も奈良を憶う種となるだろう」

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13年間住んだ奈良の暮らしはかけがえのない時間だったのでしょうね。