いつか合気道の道場を設計したい
建築家のブログ

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-2017.5.22-

薄塗で仕上がる モルタル 施工方法を探して

通常モルタルの下地はセメント系に決まっていますが今回考えた条件は、

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「合板を下地にして5mmまでの厚みでモルタル仕上げが出来ないか(普及している材料限定)」

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少し冒険かも?と思いましたが、既にに樹脂モルタル系でこのような施工方法が確立されている商品もあるので、出来るかも?と考えました。
最近、ペットを飼われている方の相談もあり、床材が濡れても気にならない仕上げを作りたい等の要望を感じこのような仕上げの方法があると便利かなと考えました。

少しの面積ならCFシートや塩ビタイル張り選択もありますが物足りない気もすします、モルタル仕上げについては使われる過程で良い風合いになる素材と考えています。
出来ればこちらを選択したいという場面は意外とあります。

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そうこう、考えながら左官屋さんやメーカー等に聞いてみると有りました。(推奨施工方法ではありませんが)

ここから少し専門的になります。

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まず、合板でモルタル仕上げをする時の起こりうる不具合として
・合板から滲み出る糖質によってセメントの硬化不良が起こる事、硬化不良となるとその部分が剥がれ補修も下地からのやり替えとなり大変です。
・合板からのアクでモルタルが変色する場合がある。程度によりますがあまりにもシミという感じになると気になります。
・下地ジョイント部分のひび割れが起こりやすい。これも程度によりますが機能上問題があったり、怪我につながるような場合は補修が必要です。
・耐摩耗性の問題。(擦り減って剥がれないか?物を落とした時に欠けないか?等)

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以上4つ程。

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それらを踏まえてメーカー(日本化成)に問い合わせたところこんな方法を教えてもらいました。

合板はなるべく赤みが少ない、所謂心材でなく辺材部分の合板を使う事これで糖質をの流出が少なくなります。
合わせてアク止めプライマーを塗布し糖質やアクを抑えます。
合板の継ぎ目にはファイバーネットを全て張り、ひび割れを少なくすることが出来ます。
下地を作るときは、カチオンワン(#2)を1mm~2mm塗り乾かします。 (※#2は塗厚1-2mm 他の#1 #3等があります、塗厚に合わせて選択するようです。)そして、ハイフレックス(5倍薄め)を塗布
NSフロアハードを2mm塗布し金鏝押えし、養生をしっかりする。

この後、防塵塗装、アクアカラー等をするのもいいですね。

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NSフロアハードは耐摩耗性のある骨材が入っていて重歩行(ピンヒールでコツコツやっても剥がれない)の店舗等で実績がある材料と聞いているので部屋内で使っても安心です。

見本を作ってもらい実際の工事に使ってみたいと思います。

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注意!:これはメーカーの推奨施工方法ではありませんので試される方はくれぐれも自己責任で!!

ns フロアハード