いつか合気道の道場を設計したい
建築家のブログ

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-2017.4.6-

耐震改修工事行う事でもう一つ効果のあった事とは?

 

 

 

耐震改修は建築基準法の定める新耐震以前の建物を日本建築防災協会の定める性能に高める工事です。

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大きなリノベーションを含めて改修を行う場合は見栄えも使い勝手も大きく変わるので設計者としても腕も見せどころですが、ケースによっては耐震改修のみを行い耐震性能を高める部分を補強し、現状に復旧するだけという場合も有ります。

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工事終了後は

「何が変わった?」これが正直な感想ではないでしょうか?

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耐震性能は底上げされたものの、見た目は何も変わらない。

命の安全を確保できたのだから良いとも言えますがFORMAでは耐震改修工事行う事をきっかけに、暮らしに潤いや気持ち良さが感じられる事は出来ないだろうかと考えています。

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そんな中、現在耐震改修中のクライアントからの感想が聞けました。

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「押入れの中のものがやっと整理できてよかった!!」

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奥様はずっと押入れの中身がびっしりな事が気になっていたとの事、ただ親御さんの物でもあるし勝手に片づけることは出来ないという状況で過ごされていたようです。

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写真はイメージです。決してクライアントの押入れでは有りません(念のため)^^

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耐震改修設計を行う場合、日々の暮らしの妨げになりにくく、復旧費用が安価に抑えられる事から押入れ内部の壁を補強する事が多いのです。

当然、工事の際には押入れのものを全て出してもらって工事にかかるわけですが、押入れというスペース意外と収納量があります。

1間の押入れで容積は3㎥、1.5間で4.7㎥ 軽トラの荷台高擦切りで1間なら3.5台分 1.5間なら5.5台分です!

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結構な量です。

ぎっしりと詰まっている場合は奥に何があるかさえ分からない事もあるのではないでしょうか?

見えないものは整理しようにも出来ませんよね。

ただ何となく存在は認識していて何とかしたいと思う気持ちがある場合はずっと心に引っかかりが出来てしまい、ストレスに感じないほどの小さなストレスになることもあります。

このような場合ほど小さなストレスが長期化することがあると思います。

二世帯だと言い出しにくいところが工事屋さんに「出しといてくださいね!」と言われると角も立ちません。

 

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工事に際して押入れのものを出すというきっかけで整理が出来るこれが非常に大きいことなのかもしれないと感じました。

物の整理長期の心の引っかかりがとれる事これは耐震補強工事がきっかけの大きな効果の一つでもあると思います。

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物の整理で余分なものは減らす。

減らすことで建物の重量も減りますから耐震にとっても有効に働きます。

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今回はクライアントが友人ご家族だったことも有り率直な喜びの言葉を聞く事でこのような価値があるんだなと気付く事が出来ました。

友人ご家族には本当に感謝です。(ありがとう!!)

これからも一つのご依頼をきっかけに新たな価値が提供できるように取り組んでいきたいと思います。