いつか合気道の道場を設計したい
建築家のブログ

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-2015.12.31-

耐震診断の活用一例

FORMAで関わらせてもらっている亀岡市の耐震診断士派遣事業。

住み手のメリットは
・建物の強さが分かる。
・耐震工事を行う際の基礎データ(図面、劣化診断、計算書、改修計画提案書)となる資料が手に入る
・補助金を得るための必要条件。
ここ最近の地震や風雨が観測至上初めてというようなデータが頻発している中で建物の安全性に不安を持たれている方が耐震診断に申し込まれています。

2015年度に行った耐震改修のひとつでは、市街化調整区域にある農家住宅の、耐震性能を高める設計を行いました。
dsc029361
方針としては
・外壁の痛みが激しい面(風当りの激しい面)が有り、隙間風対策と耐震要素として改修を行う事で耐震性能を高める。
・数年前に内部の改修を行われている箇所があるのでなるべくその部分には手を付け無い計画とした。
・土壁で真壁の和室なので意匠を崩さないように配慮した。
・全体の強さのバランスを良くする。
・耐震要素で生じる力が上手く伝わるように水平構面の補強、梁の補強を行う。
・0.7以上を目標とし、将来の屋根葺き替え時には1.0近くの数値になるよう計画。

今年の春に補助金の申し込みをしたのですが既に市の補助金枠が申し込み一杯との事でしたが滑り込みで補助金通知決定が出たました。
その後にも耐震改修補助金について、追加申し込みをするも今年は渋くなった印象を受けます、2016年度に改修を希望される方は早めに動かれた方が良いと思います。

完成後に住まい手を訪ねると、地震時、強風の時も揺れを少なくなったとおっしゃって頂き、これで安心して夜寝られますという感想でした。

体感された結果を伺うとこちらもやりがいがあります。

これからも、耐震改修については断熱改修と併せてリノベーションでは避けて通れない分野なので動向を注視しつつ研鑚していきたいと思います。